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翌日、いつもより少し早い時間に起こされた私は用意が終わると手を引かれるまま鉄塔さんの車に乗せられた。
「鉄塔さん、今日はどこにお出かけなんですか?」
鉄「ふふ、それは着いてからのお楽しみだよ。ほらシートベルトつけて」
鉄塔さんはこちらを見てニコッと笑う。
その笑顔で言われてしまうと聞くに聞けないです…
車を走らせること1時間、着いたのは江ノ島だった。
鉄「久しぶりに一緒に水族館行きたくてね」
そう言って照れる鉄塔さん、なにそれ可愛すぎません…?
「そういえば、初デートも水族館でしたね!懐かしい…」
鉄「そうなの。あの時Aすごい楽しそうにしてたの思い出してさ。最近俺忙しくてデートもろくに出来てなかったからさ…だから今日は思いっきり楽しもう?」
「はい!いっぱい楽しみましょ!」
初デートのことを覚えててくれたことが嬉しくて、鉄塔さんが私のことしっかり考えてくれてたことが嬉しくて…私は結婚どうのこうの考えてた昨日の自分が少し馬鹿らしく思えた。
タイミングなんていつだっていい。鉄塔さんと一緒にいられればそれでいい。
水族館を周ってショーを見て、自転車を借りてサイクリングをして、と遊んでいるとあっという間に夕方になってしまった。
鉄「A、最後に行きたいところがあるんだけど、いい?」
「もちろんです!」
そう言って連れてこられたのは人気のない綺麗なビーチ。
「わあ、綺麗…!」
鉄「ふふ、そうでしょ?今日の本当の目的はここに連れてくることだったんだ。…ねえA、ちょっと目瞑ってくれる?」
「?わかりました」
目を瞑ると、鉄塔さんの手が私の首の辺りに当たる。なんだろう?
鉄「はい、もういいよ」
そう言われて目を開けると、私の胸元には綺麗な貝殻のペンダントが。
…これって、もしかして。
鉄「これの意味、わかってくれる…かな?」
鉄塔さんは照れた笑顔で私に尋ねる。
こんなの…ずるい、かっこよすぎる…
「私も、同じ気持ちです…」
そう言った途端、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
鉄「よかったぁぁぁぁ…絶対に幸せにするからね」
日が暮れようとしている海岸で、私たちはしばらくの間幸せを噛みしめていた。
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あとがき
6作目はロマンチストな鉄塔さんと彼女さんのお話。
タイトルはStardew Valleyの人魚のペンダントから。
鉄塔さんはこんな風にロマンチックな告白とかプロポーズをしそうだな、と思いまして…
それではまた次のお話で。
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作者名:shirö | 作成日時:2018年7月9日 23時