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兄「おい、俺の女に何してやがる」
目をつぶっていてもわかる。近づいてきたのは低くて安心する、私の大好きな声。
ゆっくりと目を開けると、そこにいるのは兄者さんだった。
兄者さんと目が合うと優しく抱き寄せられ、彼は秋本くんを睨んだ。
秋「誰だアンタ。Aは俺のなんだけど?」
兄「Aがこんなに怖がってるのに、お前のなわけねえだろ。コイツにこれ以上近づいたら容赦しねえから。」
そう言うと、兄者さんは私の顔に手を当て、自分の顔を近づけた。
…えっ、私…今、兄者さんに……
兄「これでわかったかストーカー野郎。今後一切コイツに関わんな」
兄者さんは聞いたことのないほど低い声でそう言った。すると秋本くんは顔を真っ青にして逃げていった。
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兄「A、もう大丈夫だから…」
兄者さんはおついち先輩、弟者に連絡を入れると、さっきとは比べ物にならないくらい優しい声でそう言いながら私をだきしめてくれた。
私の体は気づかないうちに相当震えていたらしく、抱きしめられた途端、涙が溢れだした。
「あに、じゃ、さん…こわかった…」
兄「大丈夫…もう怖い思いはさせないから。」
そう言うと、私が泣き止むまでずっと背中をさすってくれた。
途中でおついち先輩も降りてきてくれて、私が好きなカフェラテを買ってきてくれたり、私に何もないことを確認して安心したりしてくれた。
「ありがとうございます、もう、大丈夫です…」
お「よかったぁ…それにしても兄者、よく気づいたね」
兄「なかなか出てこねぇし電話も出ねぇからから心配で。様子見に来て本当によかった。」
「ごめんなさい、本当に、助けてくれてありがとうございました…」
申し訳ない気持ちと感謝と安心とでごちゃごちゃになりながらもなんとかお礼を言った。
兄「いや、謝らないといけないのは俺もだ。俺が遅れなけりゃ…」
「そんな!兄者さんは何も悪くないです!」
お「そうだよ兄者。君はAちゃんのためにできることはしたんだから。」
兄「…優しいな2人とも。すまんおっつん、Aと2人で話したいことがあるから、ちょっと待ってて」
お「わかった。もう少しで弟者くんが来るし、駅まで迎えに行ってくるよ」
そう言うと先輩は会社の外へ出て行った。
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スネゾカペ - 完結((´;ω;`))とってもいいお話でした...!苺さんの新作まってます(書ける時間があればの話ですが...) (2018年8月7日 9時) (レス) id: 0af73918fb (このIDを非表示/違反報告)
苺。(プロフ) - スネゾカペさん» ありがとうございます( ´ω` )/本編は終わりましたが、また別のお話でもよろしくお願い致します! (2018年8月7日 1時) (レス) id: bced30bcc8 (このIDを非表示/違反報告)
スネゾカペ - 更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年8月6日 1時) (レス) id: 0af73918fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺。 | 作成日時:2018年7月9日 8時