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午後の仕事を無事終えて帰る用意をしていると兄者さんとの約束の時間に。
私は急いで用意を終わらせ、にやにやしているおついち先輩や周りにいた他の社員に挨拶をして下へ降りた。
雨が降る中外へ出ると、丁度兄者さんの車が見えてきたため、できるだけ濡れないように走り寄る。
兄「お疲れさん…って走ってくるくらい元気なら疲れてねーか」
「い、一応これでも疲れてますよ!走ってきたのは雨のせいです!」
兄「ふっ、はいはい早く乗れよ、濡れるぞ」
からかわれながらも私が助手席に乗り込むと、兄者さんは車を発進させた。
兄「あ、そうだ」
何事だろうと兄者さんを見ると、彼は前を向いたまま言葉を続けた。
兄「夕飯ってなんか決めてんの?」
「あ、はい、一応…」
兄「ふーん…それってさ、二人分作れたりすんの」
「え?まあ、材料はあるので作れますけど…」
兄「じゃあ食いたい。Aの家で飯食って帰ったらダメか?」
突然の誘いに驚いたが、ダメな理由がない、というかむしろ嬉しい誘いである。人を家に上げるのは本当に久しぶりだが、兄者さんや弟者、おついち先輩であればいつでも大歓迎だ。
「もちろんです、私の料理で良ければ」
兄「よかった…あ、スーパー寄るか?飲み物とかツマミとか、いるなら俺が買ってやる。と言っても俺は飲めねえけど」
「いいんですか?じゃあお言葉に甘えて…」
兄「おう、じゃあスーパー行くぞ」
そう言うと兄者さんは私の家の近くのスーパーに寄ってくれた。
兄者さんは買い物中に弟者とおついち先輩に連絡を入れていたようで、今夜は私の家から近いおついち先輩の家に泊まることにしたらしい。
うちの駐車場に車を停めて先輩の家に行き、明日の朝車を回収して会社に行くようだ。
「酒が飲めるぞ〜」と嬉しそうにお酒をカゴに入れる兄者さんの様子を見てついつい笑ってしまった。
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私の家に着くと、兄者さんにはソファに座っておいてもらって料理を作り始めた。
今夜のメニューはキーマカレー。おついち先輩に連れて行ってもらったスパイス専門店で良さそうな調味料を買ったため、使ってみようと思っていたのだった。
兄者さんは早速ビールの缶を美味しそうに飲んでいて、「いい匂いしてきたな」などたまにこちらに話しかけてくれた。
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私用で数日更新できませんでしたが、本日から更新再開致します。
この長編はあと数話で終わりますが、その後は別のお方の長編を投稿する予定です。詳細はあとがきにてお知らせします!
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スネゾカペ - 完結((´;ω;`))とってもいいお話でした...!苺さんの新作まってます(書ける時間があればの話ですが...) (2018年8月7日 9時) (レス) id: 0af73918fb (このIDを非表示/違反報告)
苺。(プロフ) - スネゾカペさん» ありがとうございます( ´ω` )/本編は終わりましたが、また別のお話でもよろしくお願い致します! (2018年8月7日 1時) (レス) id: bced30bcc8 (このIDを非表示/違反報告)
スネゾカペ - 更新楽しみにしてます(^ ^) (2018年8月6日 1時) (レス) id: 0af73918fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺。 | 作成日時:2018年7月9日 8時