小さな2人の日常。

涙。 ページ45

Ryosuke side


山「ただいまー、ってもう寝てるか。」


仕事が遅くなってしまい、
やっと帰ってこれたのは、
もうとっくに侑李が眠りについている時間。

自分から先に寝てて、って言ったくせに
ちょっと寂しいなんて、自分勝手だな。

寝室に行くと、
規則正しい寝息を立てている侑李。


山「ん？」


侑李の顔を覗き込むと、頬に一筋の線が。



…泣いた？

無意識にその跡をなぞると、
侑李はゆっくりと目を開けた。


知「りょ、すけ。

おかえり。」


山「ただいま。」


いつもみたいに笑顔を見せるけど、
涙のあとはもう隠せない。


山「どうした？」


知「え？」


山「泣いたんだろ？」



俺がそう言うと、
侑李はひとつ大きなため息をついて、
真っ直ぐ俺を見つめた瞳には、
またうっすらと涙の膜が。

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