猛毒*74* ページ33
＿＿Law＿＿
「…！」
「どうだい…？」
薬屋が調合したいくつか目の試作中和剤で
俺の持ってきたサンプルがその色をがらりと変えた。
「…成功だ」
「良かった…！！」
作業を始めてから一時間。
薬屋があらかじめ用意していた中和剤を片っ端から試し、改良を重ねた結果
毒が中和反応を起こす薬草を幾つか特定できた。
その薬草で作った試作は見事に毒の成分を無害化、分解した。
「まさかこの二つを合わせると成分が活性化して分解能力が上がるとは…！！
人がこれを同時に摂取するのは危険が伴うから盲点だったよ…！」
新しい発見に目を輝かせる薬屋。
正直薬の完成にはもっと時間がかかると思っていたが、ジル屋の言っていた通り薬屋は調合においてかなり優秀だった。今回はそれに助けられたな。
「あとは俺に任せろ。あの霧を消してやる」
「あぁ…しかし具体的にはどうやるんだい？中和剤を霧散させるには圧倒的に量が足りない」
中和剤の入ったフラスコを受け取れば、薬屋はそう言った。
説明するにしても面倒くさい。
俺は少し考えて言った。
「…せっかくの機会だ。あの霧が消えるところを近くで見せてやる」
「えっ？」
「お前やジル屋からすれば待ち望んだ瞬間だろう。危険がないことは俺が保証する」
隠密チームが仕事を果たしたなら、もうこの島に動ける敵はいない。
海軍が来ない限りここで戦闘するような事態にもならないだろう。
薬屋のお陰でこの一時間は有意義だった。その礼だと思えば安いもんだ。
中和剤も、こんなに早くは出来上がらなかったはずだ。
「どうする？」
「………子供達も一緒に、行っていいのなら…」
控えめな声だが、抑えきれていない興奮が混ざっている。
危険のない冷たい地下で待ち続けた自由がもうすぐそこにあるんだ、当然だな。
「何人いようが構わねェ。俺は先に出てる。準備ができたらお前らも来ると良い」
俺は薬屋にそう言い残し、ジル屋に案内された道を思い出しながら地上へと出た。
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凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
