猛毒*44* ページ2
＿Law＿
麦わら屋達と前回立寄った島で思わぬ邂逅を果たし、Aと恋人関係になってから三週間。
全く進展が無いどころか、寧ろ後退している気配すらある。
「…A」
『！………はい』
俺が声を掛けるだけで数歩下がり、顔を俯けて返事をするA。
触れようものなら物凄い勢いで避けられる始末。
毎日毎日着々と俺の心にはダメージが蓄積されていた。
が、別に怒っている訳じゃない。Aがそうしたくてしている訳じゃ無いのも、俺を嫌っている訳でも無いことをちゃんと知っているからだ。
その証拠に。
『…っ』
白い髪から覗く耳が、真っ赤に染まっている。
思わず食い付きたくなるがぐっと堪えて指示を出す。
Aはすぐにキビキビと働き出した。
あれだけ狼狽える様子を見せても、仕事だけはきちんとしてくれるのだ。
そこは流石だ、としか言い様がない。
普段どれだけ俺を避けようが、敵襲があれば自分から俺の側に立ち守ろうとする。
自分で言って悲しくなるが、Aが一番近くに居る瞬間は敵襲があった時だ。
敵が来ることを待ち侘びている俺は相当なA不足。
「…はぁ」
まぁ…Aが俺を避けているのはいずれ収まることだから良い。
我慢出来なくなったらまたその時に行動すればいい。無理やり慣れさせれば良いだけだからな。
俺の中にある一番の問題は、A自身の事じゃねぇ。
問題は…。
「そういえばキャプテン、A昨日も電伝虫で連絡取ってましたよ」
「……またか、クソ」
動きがあれば直ぐに報告しろと指示していたペンギンの言葉に
つい掌に爪を食い込ませてしまう。
そう、問題は、アイツが俺に関する相談を麦わらの一味である黒足屋にしている事だ。
どうせアイツのことだから、仲間内でそういう話をするのは恥ずかしいだか何だか考えているんだろう。それは別に良い。
悪いのは、相談している相手だ。よりによって何で黒足屋なんだ。
あの船には女が二人も居るだろう。ナミ屋もニコ屋も(不本意だが)面白がって話ぐらいは聞いてくれる筈だ。
一度相談した信頼出来る相手とは言え…男、しかも女好きの男。
俺の知らない間に番号なんか交換しやがって…。
胸の辺りにずしっと重たい何かが降り掛かる。
…最近はこんな感覚ばかりだ。
Aに触れられさえすれば、きっとこれは吹き飛ぶんだろう。
「…俺も、辛いぞ。…A」
緩んだ涙腺に気付かないふりをして、俺は足早に自室へと戻った。
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凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
