猛毒*12* ページ13
「...遅いぞ」
『』
別の意味で溜息を吐きそうになった。
イッカクと共に部屋から出れば、廊下に佇むキャプテン。
私は頭の中がパニックになって、不思議なキャラクター達がメリーゴーランドで楽しそうに遊ぶ様子しか思い浮かべられなくなった。
シマウマの頭したうさぎって、不気味だね。(最早それはうさぎじゃない)
頼みの綱だと思っていたイッカクは楽しそうに笑って先に行ってしまった。
薄情者である。
「昨日島に降りた奴から聞いた。ここは治安こそ良くねぇが...暫く困らねぇ程度の物資が調達出来るらしい。」
『そう、ですか...それは良いことですね』
帽子を被り、鬼哭を携えた"いつも通り"のキャプテンを私は直視出来なかった。
キャプテンが視界に入った瞬間から、心臓が煩いんだ。
体内に響く鼓動が耳元で弾ける。周りの音が聞こえづらい。
鼓動と、それから、自分の浅い呼吸だけがダイレクトに伝わる。
ダメだ、顔が熱い。
「A」
『っ！』
名前を呼ばれパッと顔を上げると、すぐ近くにあるキャプテンの顔。
思わず後ろに一歩下がれば、逆にグッと引き寄せられる。
『っあ...！？きゃ、キャプテン..っ』
強く抱きしめられる身体。
この距離はダメだ。私の鼓動が聞こえてしまう。
キャプテンの力強い腕の中で何とか離れようと藻掻いていると
「離れるな」
と耳元で囁かれる。
その瞬間だけ、呼吸が止まった。胸が苦しくなった。
大きな手に触れられた部分も、顔も、胸も、熱くて。
熱くて仕方がなくて。私、おかしい。
キャプテンにキスをされたあの日から、私はおかしくなっている。
「A、行くぞ。俺の手を絶対離すな。」
今、やっと気付いた。
私と指を絡めて手を繋ぐこの人は。
私を見るその瞳に熱を宿すこの人は。
『〜ｯ！！』
＿＿＿＿＿＿＿＿猛毒男だ。
私はこの人の毒に侵されてる。
こんなに胸が苦しいのもそのせいだ。
でも、何で。心から拒否出来ないのは。どこか嫌じゃないと思っているのは。
寧ろ心地よく感じる瞬間もあるのは。
それもこれも、この人の、毒のせいなのかな。
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マニ。(プロフ) - 凛月さん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？お返事お待ちしています💖 (1月21日 20時) (
レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - こゆき｡さん» ありがとうございます！何とか右ストレートに近い、それっぽい名前を試行錯誤しました笑。 (2023年2月22日 7時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき｡(プロフ) - 右パンチ最高すぎますwwww (2023年2月22日 6時) (レス) @page9 id: 80f0ed928f (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - のら猫さん» コメントと回答ありがとうございます！そう言っていただけると大変モチベーションに繋がります！！！嬉しいです！！これからも良い話をお届け出来るように精進します！！今後ともよろしくお願いします！！ (2023年2月13日 2時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
のら猫(プロフ) - コメント失礼します！ローさん、推しの１人でしてでろ甘な話し大好物です(笑)素敵な作品をありがとうございます！フラグモノも自分はバッチこいです！！続き楽しみにしてます！頑張って下さい！！ (2023年2月13日 2時) (レス) @page43 id: 2e9263cb32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
x他1人 | 作成日時：2023年2月4日 6時
