一般人のはずなんです 。 ( 降谷零 )

一般人 。 31 ページ33

赤井side








「 まさか 、早坂さん達の娘さんに会えるとはな ..。 」









工藤邸で 、ひとり 、たばこを吸う 。 沖矢の前にあるパソコンでは 、 ある男女と幼く 、可愛らしいひとりの少女が写っていた 。 幸せそうな3人の笑顔がある 。









「 貴方達の娘さんは 、相変わらず愛らしく美しく育ってましたよ 。」









沖矢は 、たばこを灰皿で消すと 、写真をぼーっと見つめた 。









「 何故 、 早坂さん達が死ななければならなかったのでしょうね 」









そう小さく呟いたあと 、パソコンを閉じた 。








あの子 はきっと 、真実を知っていない 。 自分の両親が 、一体に何者だったのかも 、自分がどんな存在だったのかも 。 この真実を知るのは 、 もっとあとになるのかもしれない 。






彼女の覚悟を決めた時 、伝えなければならない 。彼女の過去を 、本当の真実を 。






早坂A という 、本当の存在を 。






。
。









「 レイーーー !! ただいまーーーー !!!」







帰ってきたあと 、すぐにレイに抱きつく 。 レイは 、わんわんと吠えながらも 、尻尾を揺らして私を出迎えてくれた 。相変わらず 、私のレイ可愛いです 。







「 今 、晩御飯用意するからね !!」






* わん !!!!






キッチンに向かおうと思い 、立ち上がると 、棚に置いてある写真が目に入る ..。私は 、その写真に触れて 。そこには 、実の両親と 、まだ幼い自分が写っていた 。




「今日は 、 お父さん 、お母さんの分も用意するね 。」




そう言って 、 私は 、キッチンに向かっていた 。 家族で撮った最後の写真はあれなのだ 。 何故 、最後なのか 。 どうやら 、実の両親は 、事故で亡くなったらしい 。

けれど 、その事故という死亡原因が嘘ということは 、随分前に気がついている 。




お父さんとお母さんが亡くなったと伝えられた時 、黒いスーツをきた人達が 、囲み 、とても悲しそうにしたあと 、私に亡くなったことを告げた 。





そのあと 、私が全く知らない女の人が私を抱きしめて 、「 ごめんね 、 ごめんね 。」 と泣いていたのを覚えている 。 周りの人達も 、すすり泣いていた 。



私はその時 、 両親が死んだことを受け入れることが出来ず 、お葬式が終わったあと 、ずっとこの家で 、 引き取り先が決まるまで 、両親の帰りを遅い時間まで待っていた 。 今思えば きっと帰ってきてくれると信じてたかもしれない 。

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