109話~歩幅が違いすぎて~ ページ12
渡されたのは真っ白なレースに繊細な蜂蜜や紅茶、苺タルトの刺繍が施された綺麗なハンカチ
それと、何かのメモ帳
貴方「私はローズハート様の言い分も良く理解出来るのです、私も彼と同じだから」
デュース「同じ？Aと寮長が……？」
同じ……という言葉にオウム返しするように、思わずAに問い返せばAはまた困ったように笑った
月の光に照らされて、夜風に揺れる赤みがかったAのその髪と儚い笑顔がとても綺麗で見蕩れてしまう
貴方「幾ら末弟と言えど、モーラン族の長の息子には変わりありません
ひとつ間違えれば躾として一週間は地下牢獄行き
私と彼の違いはそこで反抗することを止めたか止めてないか、その状況に納得したかしてないかです
そんな私でも……彼とは違う方法を選んだ私でも、出来ることは無いかと考えたらどうにも“コレ”しかなくて
不器用な私を許してください、デュース君」
デュース「…………ちゃんと、お前は僕の所に帰ってきてくれるのか？」
貴方「はい、寮生以外でこの学園で初めて声をかけてくれた初めての友人ですから」
デュース「……ちゃんと、僕達の所で今後も笑ってくれるのか？」
貴方「はい、貴方達は私のかけがえのない大切な友人であり守るべき存在ですから」
デュース「………ちゃんと、帰ってきてくれよ」
貴方「数日の辛抱です、必ず」
ｷﾞｭｯ
ハンカチとメモ帳を受け取れば、俺を包み込むように優しくAは抱き締めてくれた
俺達は……お前のかけがえのない存在として、お前の中にあり続けれるのか
どうにもそれが嬉しくて、むず痒くて、泣きそうだ
貴方「……きっといつか彼は泣いてしまう、その時は周りに居る誰かが拭って共に歩いていかなければなりません
人間とはそういうものだと、兄上様に教わりました
優しく、怖く、それでいて儚く
短いが長く感じる一生を大事に必死に共に支え歩いていく、と
私じゃ彼を支えてあげることは叶わないでしょうから
頼みましたよ、デュース君」
110話~これからも共に歩く~→←108話~月夜に浮かぶ赤羽根~
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夜 - とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください！ (6月15日 17時) (
レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します！私男主の愛され大好物なので嬉しいです！ツイステのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！ (5月20日 13時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
とまとじゅうす - 読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！ (2023年4月14日 20時) (レス) @page34 id: a1abbce39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：元薺(サイ)だった者
| 作成日時：2022年9月24日 16時
