68話~同室のよしみだ~ ページ20
セベク「おい起きろA!!!!!!!」
貴方「ッ!!?………セベク殿…?」
強く体を揺さぶられる感覚と耳元で聴こえる大きな声、息詰まるような苦しさを感じて意識が一気に浮上する
目を開けると、目の前には焦った顔のセベク殿が俺を見下ろして体を揺さぶっていた
兄上様とウィル兄様は…?さっきまでそこに……いや、夢か
不謹慎な様な、幸せなような、何とも言い難い気持ちだな……夢見悪い、何故今となってこんな夢を
ズキズキと痛む頭を抑えて体をゆっくり起こすとセベク殿が背中を摩ってくれた
……体温を感じる、大丈夫だ
大丈夫、ここは戦場でも無いし俺も皆もここに生きている……大丈夫だ
セベク「大丈夫か?大分魘されていたが……凄い汗だぞ」
貴方「………昔の夢を見た、居心地の悪い…」
セベク「そうか……今はシャワーは無理だが服は着替えろ、少しはスッキリするだろ」
貴方「あぁ、そうするよ」
セベク殿に言われた通りベッドから降りて、汗で濡れてしまった寝巻きを脱ぐ
肌にベタついて凄い不快だ……
セベク「その、何だ………こーゆう事はよくあるのか?悪夢を見て魘されるのは」
貴方「……偶にある程度だ、二年に一度有るか無いか………いやだが俺達の一年は多く長い、本来ならもっとあると言うべきなのか?
心配かけさせたな、起こしてすまないセベク殿」
セベク「いや気にするな、自然と目が覚めた時お前が魘されていたのに気付いただけだ」
替えのシャツを羽織ってベッドに腰掛ける
はぁ……何でこんな時に、まさかデュース君達になにか起こるのか?いやそんな……断言は出来ないが気にしておく必要はあるか
はぁ……将来禿げないか心配だ、父上のようなハゲワシの様には絶対になりたくないな
セベク「寝れそうか?」
貴方「いや、今日はまた同じ夢を見そうな気がしてならない……このまま起きてるよ」
セベク「そうか……ならば僕も起きよう、何時もの時間になったらどうせ起きて朝練をするしな」
貴方「ありがとうセベク」
セベク「気にするな、同室のよしみだ」
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作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2022年1月17日 13時