難しい恋２ (ページ27)

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手越さんside

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立ち尽くすしかなかった…

俺はAちゃんのことを何も分かっていなかった

いや、分かろうとしていなかった。

この女は泣きながらこう言った

_____貴方は一度も私を見てくれなかったじゃない

聞き飽きた。

何度も何度も言われてきたこの言葉をAちゃんは一度も言わなかった。こんな女たちのようにAちゃんは言いたいことを言えない。

俺に助けてとも言えないAちゃんはきっとこの女の数倍も苦しかった

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Aちゃんの何処を好きになったのか____

昔から女は嫌いだった

甘ったるい香水のせいで頭がぼうっとするし少し笑顔で話せばその気になって追いかけ回してくる。
昔から好きだったサッカーが俺にとって救いの場なのにいつのまにかフェンスの向こうに群がっていて集中すら出来なかった。
自己中心で人のことも考えない。あいつたちが嫌いだった。

でもいつからか、女たちから逃げることを諦め利用しはじめた。

それからある日新人の教育係を任された
そこには今までの女とは違う独特の雰囲気と匂いに包まれ体が痺れた。

髪の艶や瞳全てが俺に刺さり胸が締め付けられたんだ。

鈍過ぎた俺にはこの子が好きだと気付くのに遅すぎたが付き合った時俺は決めたんだ、この子を誰よりも幸せにするって

今まで言ったことのないようなことも沢山言ったしAちゃんのことを甘やかして愛してあげられるのは俺だけだって、

でもそれではAちゃんを幸せには出来なかった。Aちゃんをどんなに愛しても心の声を聞かなければ幸せには出来ないなんて今気付いてどうするんだ。

" おい "

そこには同僚の男友達がいて

" 好きなんだろ。
初めてなんだろこんなに好きになった子は。お前言ってたじゃねーか、Aちゃんがどんな所にいても俺が絶対助ける。とかくせーこと"

"今のお前を過去のお前が見たらブン殴られるんじゃねーの "

その言葉に駆られて俺はホテルを出た

かっこいいとかかっこ悪いとかなんでもいい今すぐ抱きしめたい。

何も考えずただAちゃんのことを思って

がむしゃらにAちゃんの元に向かうんだ