元風間隊の玉狛所属。【WT】 (ページ9)

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私は今日、自分の家に来ていた。
私が玉狛に殆ど住んでいるようなので、中々家には帰らない。

まぁ、なんかまた一山ありそうなので会いに来た。
家に帰らない私だが、帰らない理由はもう一つ。

母が嫌いだから。

母は、狂ってる。

……少し、昔話をしよう。

私は４年前の大規模侵攻の時に父を亡くし、反対する母を押し切ってボーダーに入った。

大規模侵攻のあの日、父はボーダーと関わりがあったのか私達を非難させた後黒トリガーになって発見された。

＿＿＿私たちの元に残ったのは、父が死んだと言う事実と黒トリガーだけ。

死体も無く、黒トリガーを渡された。

当時12歳ごろだった私でも、父が帰ってこないのは分かっていた。

なのに、

「ねぇ、お父さん。これ見て。Aの入学式の写真よ。高校に受かったの」

そう言いながら、お墓に話しかける母。お墓には「月峰家之墓」と書かれている。

勿論、遺骨なども無く空っぽの墓なのだが。

お墓に入っているのは骨ではなく、黒トリガー。小さな箱に入った指輪だ。

……トリガーになっても指輪。最後まで、父は母を愛した。

このトリガーは、私達家族を縛り続けた。
母曰く、コレが起動できるのは私と母だけらしい。

このトリガーの能力は鎖。
何も無い空間以外なら何処からでも鎖を出すことが出来る。

また、トリオンをこめれば込めるほど、鎖は太く、長くなる。

まぁ、トリオン消費がバカでかいのだ。その分、能力は高いが。

では何故、黒トリガーが墓の中に入っているのか。

原因はトリガー、いや父にある。

一度、母がトリガーを起動したことがあった。その時、起動した瞬間母を父が鎖で縛った。

その後、母は大量のトリオン消費に耐えきれず気絶してしまった。

勿論、第三者から見るととても危ないのだが、母は父が死んで尚自分のことを求めていると解釈してしまった。

実際そうなのかもしれないが。

結局危険だと言うことで、私が母を説得しお墓に入れた。

まぁ、その後も母はことあるごとにトリガーを起動しようとしていた。

結果的に父が黒トリガーになってしまったあの日から、母はおかしくなった。

このトリガーの能力は鎖。
その名のように、私達家族を縛り続けた。

あれ以降、私は黒トリガーいや、父が怖くなり一度もトリガーを起動できなくなった。

なので、私がトリガーを起動できるかどうかすら怪しい。

まぁ、なので私は母が苦手なのだが。