俺らのマネージャーのことが気になって仕方がない。5【ハイキュー】

170もうやんない ページ10

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音駒の初戦の相手は、伊達工だった。

音駒は以前、烏野と試合した時よりも格段に強くなっていた。

個々のプレーも上手いが、何よりもチームが成り立っている。

そういえば、私の今回担当する音駒と青城はこの中だとチームプレイが上手い部類に入るチームだ。

烏野は個々のプレーで押してるから、そういうチームプレイの上手いところメモって、盗んで、烏野の試合に活かしちゃおう。

そんなことを考えていると、クロがこちらにやってきた。

ああ、記憶を辿ってみると今は試合がないんだった。忘れてた。

「見た？俺の超ハイパーブロック。」

「お前は厨二病卒業しろよ。」

主将がこんなんでいいのか。

音駒は何故、成り立ってるのか心配になってくる。

そうか、夜久さんが素晴らしいんだ。

うんうん、夜久さんは素晴らしいなぁ。

「いや、でもクロブロック上手くなったよね。」

「マジで！？Aに言われたら嬉しいわ。」

クロがブロック上手くなったのは事実だ。

昔から、上手かったと言えば上手かったが、部活ではそこそこ上手い方だったぐらいだった。

今は、読みがかなり良くなった感じがする。

わんちゃん、ゲスブロック出来そうだな。

勘良いし、胡散臭いし。

「お前はさ、」

「ん？」

急にクロが真剣な顔つきになった。

なになに。

クロが真面目なこと言うときは、大体私の闇の部分だから嫌なんだよなぁ。

今日は何を言われるのだろうか。


「お前は、俺らよりずっとバレー頑張ってきたのに、やらなくて良いのかよ。あんだけ頑張ってきたのに、俺はお前が……Aの時々バレーの試合見ながらする切なそうな表情見んの辛いん……！？」

クロが言いかけた言葉を飲み込んだのは、私がクロ口の前に人差し指を立たせたからだ。

私の唯一の地雷。

出来るだけ、触れて欲しくないキズ。


「バレーはもうやんないって決めてる。」


それだけ言って、もう時間だし青城の方に行った。

私を呼び止める声が聞こえるけど、このままクロに説教くらうのも嫌だな。

よし。

周りの視線も気にせず、少し離れる青城の方まで走った。





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