176気がかりだったこと ページ16
・
私は悩んでいた。
……どこでご飯を食べるべきなのかを。
一応、預かりは音駒と青城だけど、果たして鳥野には何も言わなくていいのだろうか。
鳥野以外で食べるとしても、音駒か青城、どっちに行くかも迷う。
音駒は、クロと喧嘩(?)的なのしちゃったし、とりあえず青城に行っておこうかな。
と、思ったその時。
今、一番私が会いたくないであろう人に声をかけられた。
私は振り向きつつ、反射的に「げっ」と声を漏らす。
「げって何だよ。どこ行く気なんですかー、Aは音駒では食べないんですかねぇ。」
「行っていいのなら、行きますけど……。」
クロにつられて、私も自然と敬語になる。
結局、クロに腕を引かれて音駒の元へ行くのである。
私は気がかりだったことを聞いた。
「あの、怒ってないのですか。」
「ん?」
「練習の時のこと。」
私がそう言えば、クロは前を向いたまま「んー。」と唸った。
この微妙な空気、苦手なんだけど。
そう思いながら、押しつぶされてしまいそうな空気に耐え、クロの言葉を待った。
「お前が、バレーをやらないからといって一緒にメシを食べないのは何か違くない?」
「はい?」
想像してた言葉とは違って、クロに聞き返す。
ずれている。
コイツはめちゃくちゃずれている。
内心そう思いながらも、声には出さなかった。
「俺とAは合宿期間中でしか、会えないわけだし。その短い時間を喧嘩して、潰すのは勿体無いなって自分で思ったわけよ。だから、怒ってない。」
「そっか。」
怒ってないみたいで、ほっとした。
それと同時に、クロって私と違って随分、大人になったんだなぁって思った。
それこそ、置いていかれそうで怖いぐらいに。
「あ、でも。俺の言葉、無視してどっか行くのはどうかと思うなぁ。黒尾さん傷ついちゃったなぁ。」
「言い方はムカつくけど、ちょっと、ちょっとだけ反省してます。ごめんなさい。」
一応、謝罪の言葉を並べて置く。
すると、クロに頭をわしゃわしゃーと撫でられた。
コイツ、他人の頭撫でんの本当に好きだなぁ。
・
1971人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AY(プロフ) - とても面白いです!!更新楽しみにしています✨ (2023年4月5日 22時) (レス) id: faf5f904a1 (このIDを非表示/違反報告)
マリリン - 凄く面白かったです!更新楽しみに待ってます!頑張ってください! (2020年4月29日 0時) (レス) id: 540c4d55db (このIDを非表示/違反報告)
えいら - 更新されるのを楽しみにしています! (2019年4月2日 11時) (レス) id: b643c5bfb9 (このIDを非表示/違反報告)
nico310nico(プロフ) - 赤葦好きです!!すっごい面白いので頑張って下さい! (2019年1月6日 11時) (レス) id: 1d190054d5 (このIDを非表示/違反報告)
アーチ - とても面白いです!更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2017年10月22日 0時) (レス) id: c7504ef32a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましゅる | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月18日 15時