【HQ】恋色ソーダーwinterー【短編集】

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準備も整い、やっと落ち着いた俺たち 。後は流星群を見るだけ...


「ねぇ...ぜんｯｯｯｯぜん、見えないよ!?」


確かにこの公園は高い位置にある。だから、街の光が原因で見えなくなることはない。でも...


『月が明るすぎるってことでしょ？』


「そう！それ!!!」


月が明るすぎて星がよく見えない。来た意味ないじゃん...！


『ま、ボチボチ観察しますか』


Aは焦った風でもない。


「何、その余裕......」


『ま、徹よりは大人ですから』


そう言ってさっきとは違いちょっと妖艶に微笑むA。





―――ﾄﾞｷﾝｯ―――





「...っ！」


ずるい。ずるい、ずるい、ずるい!!!


――なんで俺ばっかりドキドキしてるの？

――なんで俺ばっかり余裕がないの？

――どうして俺ばっかり...Aが好きなの？


俺ばっかりAの行動１つ１つに焦るなんて。不公平だ。


「A!!!」


『ど、どうしたの徹？』


焦りすぎてうっかり名前を呼んじゃったけどどうしよう...用事とかないんだけど...！


――いや...ある！


今、今言うんだ。これまでの思いを。10年分の思いを！


「つ...」


『つ？』






"月が...綺麗ですね..."






言ってから失敗した気がした。

普通に"好きだ"って言えばいいのに。
いきなり"月が綺麗ですね"って...！しかも敬語!!!

意味は伝わってるだろうか。空とか宇宙とかが大好きなAは普通にそのままの意味で捉えてしまうのだろうか。


恐る恐る顔を上げるとポカンとしてるAの顔。


「A...？」


『...っ！』


ガマン出来なくて名前を呼んだ。

そして俺の声でAは我に返ったようにハッとする。


「ご、ごめ...！なんでもな『徹！』な、何!?」


さっきまでのポカンとした表情とはうって代わり飄々としてるA。

そして、Aは俺にこう言いはなった。







"月は元から綺麗ですよ"






と。



Fin
ー・ー・ー・ー・ー・ー

作者名:蒼庵

メイン作品:ペテン師ヒーロー【黒尾鉄朗】

シチュエーション:ふたご座流星群を見に行く(？)でしょうか...？

Q冬休みはハイキューキャラの誰とどこに行きたい？:岩ちゃんと及川さんの3人で家で年越ししたいですね！

感想:2回も参加出来て嬉しい限りです！この作品には、素敵なお話がたくさん詰まってますので、何回でも読んで頂ければ幸いです。

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