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A「ありがとう」
「え?」
思ってもみなかった事を言われ僕はつい変な声を出してしまう。
なぜ?僕が死なせてしまったのに?ありがとう?
A「お姉ちゃんを愛してくれてありがとう」
何を言っているんだ。
同じ言葉を話しているはずなのにまるで意味が分からない。
A「お姉ちゃんは貴方のおかげで生きてこれたんだよ?」
「違う…」
僕のせいで死んだんだ。
A「お姉ちゃん…病気だったんだよ」
「…は?」
そんなの聞いてない。
A「もともと死んでもおかしくなかったんだ。こんなに生きてられたの奇跡だったんだって。」
だって…だって彼女は
「車にはねられたんじゃ…」
A「うん、でも、もともと意識はなかったみたい。だから、ジョングク君のせいじゃないよ。お姉ちゃん、言ってたんだグクのおかげでここまで来れたって。」
だから、もうごめんなんて言わないでと言われ今まで堪えていた涙が頬を伝う。
するとAちゃんも泣いているのか震えた声で
A「ありがとうだよ」
と言う。
「ありがとう…ヌナっ…ありがとうっ」
すると答えるかのように桜の木が揺れた。
A「ほら、お姉ちゃん喜んでる。」
へへっと笑うAちゃんはやっぱりどこか彼女に似ていた。
そして僕の中で重い鎖に繋がれていた何かが吹っ切れたようなそんな気がした。
「ありがとう…ヌナ。」
するとどこからかどういたしましてと言うヌナの声が聞こえたような気がした。
A「お姉ちゃん、良かったね」
何てまだ桜の木と話しているAちゃんを置いて立ち去ろうとするとそれに気づいたのかAちゃんは
A「また!また、どこかで!!」
「うん、またどこかで、その時は宜しく」
と手を振ると満足そうに微笑む。
まぁ、それからまた会うのにはそんなに時間は掛からなかったんだけどね。
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作者名:癒夢 | 作成日時:2017年1月6日 9時