桜 ~JK~ ページ1
確か君との出会いはここだったよね。
『グク!!へへっ、大好き!!』
『グク!!グク!!』
僕の名を呼ぶ彼女の愛しい声。
それと同時に嫌な思い出もよみがえる。
『…なんで、どうして？』
『…信じてたのにっ』
違う…僕は…僕は何もしていないのに。
呼吸をするのでさえ難しくなる。
苦しい…。
「はぁ…はぁっ」
？「あの…」
声のするほうを見ると僕を心配したような顔で見ている女の子がたっていた。
？「だ…大丈夫ですか？」
「あぁ、すみません。」
良かった、彼女のおかげで少し呼吸をするのが楽になった。
？「桜…綺麗ですね」
なんて言いながら微笑む女の子。
やめて、そんな顔でこっちを見ないでくれ。
「綺麗…だね」
はいっと言ってまた桜を見る女の子の横顔を見つめる。
ふと気になる。
名前は…なんて言うんだろう？
聞こうにも聞いていいものなのか…。
そんな僕を見越したのか彼女が口を開く。
A「私の…私はAです、貴方は？」
なんてはにかんだ笑顔で言う。
どうして…どうしてこうも彼女に似ているのだろうか。
「…ジョン…グク。」
つい、あの時と同じように答えてしまう。
A「ジョングク君…ジョングク君って大切な人いる？私はね、いた…かな。」
死んじゃったんだなんて泣きそうな笑顔で言う。
あぁ、僕の大切な人もだよ。
そんな事を思いながら彼女から桜へもう一度目を移す。
A「ソジンお姉ちゃん…」
その名前に心臓がドクンと鳴って大きく脈打つ。
なぜ、なぜAちゃんが彼女の名前を知っているのだろうか。
姉妹なのだろうか。それとも、友達？
「…ヌナ。」
すると無意識のうちに彼女を呼んでいた。
案の定Aちゃんは大きく目を見開く…がその後にっこり笑って
A「貴方が…貴方がグクさんだったんだ」
と言う。
きっと恨みでもあるんだろう。
彼女は僕のため、僕のせいで死んだのだから。
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作者名：癒夢 | 作成日時：2017年1月6日 9時
