No,105 『アッカンベー』 ページ21
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夜空の星を眺めながら、普段通り胸元が空いた黒色のシャツワンピースを着こなした天野Aは溜息を吐く。
薄らと森の中で光を灯す建物に視線を移すだけで気が重くなる。
「A、何してんだ」
「……気にしないで。それよりも、荼毘」
視線すらも動かさず、後ろの継ぎ接ぎの青年の問いに答える。
もう雰囲気で重たい。エゲツない程。
「明日でしょう？全員呼びなさい」
「はいはい……なんでこんな上から目線なのかねェ」
「潰されたいなら潰すわ」
ボーッとしているにも関わらず、その殺気は青年の喉元に当てられていく。
青年は苦笑いを浮かべて全員を召集する。
「もう、それぞれ楽しむのが1番じゃない？私達がチームワークなんて無理でしょ」
マグネの言葉に、全員が満場一致する。
良くも悪くも個性が強い人間が集まっているのである。当たり前の帰結だ。
寧ろこれ以外にやりようがあると失敗する可能性が非常に高い。
「………マスキュラー、貴方は私と来なさい」
「おいおい。今の話聞いてたんだろ？」
「新入りなんだから当たり前でしょうが」
ピキッ……！
空間が割れそうな音がする。
周囲すらも無事では済まないレベルの力が一発即発とばかりに。
「マスキュラー、Aの言う通りにしろ」
「チッ……」
この場に於けるリーダー、荼毘の言う事には渋々とばかりに頷くマスキュラー。
静かにもう1つの殺気を撒き散らしていた疾斗のを宥めるようにマグネが背中を撫でる様子を見て、安心するように溜息を吐いたのは誰か。
「A、苛ついてるのは分かるが少し落ち着けよ」
「……こうして貴方に絡まれるのも苛つく原因と言ったら」
普段よりずっとジト目で睨みを利かせるAに対して、飄々とした態度で「それは無理な相談だな」と和かに答える。
「……黒霧、お風呂に入って寝るわ」
「普段よりマイペースさが目立ちますね？」
「あら、話を聞いてないとしても聞かないが吉よ」
威圧的なニッコリ笑顔を見せつけるだけですんなりとワープゲートを開く辺り、割と尻に敷かれていると思う。
「じゃあ、俺も帰る。1人たりともくんな」
「……はぁ、来るなら早くしなさい馬鹿」
「おう！」
背後から抱き付かれても溜息を吐いて頭を撫でる。
少し羨望の視線を感じながらAを押して、不意に疾斗はアッカンベーと舌を出す。
そんな変な行動を気づかずに黒い靄の中にはいっていった。
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No,106 『必ず助けるから』→←映画編終了&林間合宿編開始直前
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over the rain - 遅くなってすみません！続編おめでとうございます！応援してます！ (2020年4月11日 20時) (
レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NIGHTMARE DOLL | 作成日時：2020年3月20日 14時
