ソノサキ 1 ページ36
《爆豪勝己side》
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「おはよ、勝己っ。朝ご飯出来てるよ〜？」
ゆったりとしたTシャツとミニスカートにエプロンを着込んだ俺の妻が、俺の頬を撫でる。
「……ん、朝はいつも通りか」
「うん、ご飯。焼き鮭とお味噌汁」
「辛いの食べてェ」
「お昼か夜にしてね。私が無理」
ベッドサイドに置かれてるマグカップを手に取りながら、わざとらしく拗ねてみる。
ガラじゃねェけど、Aの反応が見たかった。
「さてと、まぁ」
「「いただきます」」
テーブルで向き合って両手を合わせる。
お揃いのマグカップにそれぞれコーヒーと紅茶を淹れている。
「どうかな？美味しく出来てた？」
「おう、上出来だなァ」
俺が一言褒めれば、Aは嬉しそうにする。
鮭を解して口に含む。フワリと崩れて少しの塩気が美味しい。
「今日はまたお仕事？」
「おう、悪ィな……夜には帰るから」
俺はAの頭を撫でて謝罪する。
苦笑しながらも「大丈夫大丈夫、頑張ってよ」と応援してくれるのは、本当に嬉しいばかりだ。
「そういえばだけどよ。お前の仕事の方は大丈夫か？」
人気女優が最近暇そうで、俺は不思議に思ってた。
その理由を何とやく聞いてみると……
「うん。少しずつ仕事量減らして、1年後くらいには引退しようかなって」
「………は？」
唐突な言葉に俺は驚きを隠せない。
引退？何でだよ……
「勝己、言いたい事分かるよ。早いんじゃないかって言いたいんだよね？」
俺の気持ちを察したAが、紅茶を喉に通して一息つくと話し出す。
「元々、私は清純派を売りにしてた。それが勝己との結婚で、少しずつ薄れてる。そりゃパートナーがいたら身綺麗だとは思えないからね」
「それで……か」
のんびりしてるようで、本当は何よりも自分を知ってる奴だ。俺の妻は。
「うん。それは売り上げに影響する。演技力も圧倒的じゃない……そもそも、日本のドラマ・映画・舞台とか、大きなもの程売名を気にし出す時あるし」
「……自分より上手い奴が、これから押し上げてきて、お前は落ちていく？」
あまり芳しくない言葉を繋ぐと、素直に頷く。
「そういう事。元々、芸能界での寿命は長くない。だから……」
俺は……複雑だった。
勿論、1人の女としてAが好きだ、大切にしたいと思っている。
だが、女優としてのAを尊敬していた。
それが……容易く道を諦めてるようで
静かに、胸が締め付けられた。
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続く (更新停止中)
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星奈 - このお話好きだ！(←お茶子ちゃん風) 今日見つけてテスト習慣なのにも関わらず一気読みしちゃいましたw ツンデレならぬキレデレのかっちゃんと夢主ちゃんを想像してニヤニヤしちゃいました。 これからも頑張って下さい！ (2018年10月5日 14時) (
レス) id: 06bbc7b5d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NIGHTMARE DOLL | 作成日時：2018年6月6日 23時
