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夏休みには毎年恒例の埼玉合同合宿がある。梟谷学園グループーー梟谷、男前、生川、森然の四校で行われる。
毎年恒例、と言っても私たち一年生にとっては初めての大型合宿なわけだがーー
「Aーーーー!!」
「っっうわ!?」
さっそくボトルの準備をしようと体育館の端を歩いていたら、真横から何かが飛びついてきてバランスを崩して尻もちをついた。
「A久しぶり!!元気してたかー?!」
「光太郎か……もーびっくりした。久しぶり、めっちゃくちゃ元気だったよ。光太郎も元気そうだね」
「俺はいつでもめちゃくちゃ元気!」
光太郎は尻もちをつく私に覆いかぶさるような体制のまま、にんまりと笑った。ちなみに今のでカゴの中のボトルが半分以上床に転がった。
「ちょっと木兎!!今のでAちゃんが怪我したらどうするつもりよ!」
「大丈夫ー?」
「ゆきちゃん、かおり!ありがとう。大丈夫だよ、ボトルが散らばっただけで」
「もー!木兎がごめんね。ほら、謝って!」
「え!!ご、ごめん」
あからさまにしょんぼりと肩を落として謝る光太郎。いつの間にか側まできていた鉄朗がアヒャヒャヒャとお腹を抱えて笑い声を上げる。
「お!黒尾!久しぶりだなー!!」
「よー、お前は相変わらず楽しそうだな」
「おう!楽しいぞ!今日は特に楽しい!!」
かと思えばキラッキラの眩しい笑顔を見せてくれる。いい意味で同じ高校生とは全く思えない。
「なぁA!今日おれのこと見ててくれ!」
「うん?いいけど、なんで?」
「フフン、それは見てからのお楽しみ!!」
もうすでにドヤ顔が隠しきれていないところを見る限り、きっと最近調子がいいのだろう。
「えー気になるな」
「おいおいAさん?木兎だけじゃなくて俺らのこともちゃんと見てくれよ?」
頭に手を置かれ、顔を上げると鉄朗が後ろから顔を覗き込んでくる。そりゃ私は音駒なんだし当たり前だ。口を開こうとしたがそれより先に光太郎が「え!」と声を上げた。
「今日は黒尾も出るのか!?」
「おう。合宿中は何回もゲームやるらしいからな」
「うおー!!負けねえぞ!!」
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きゃーぽん(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、すーっごく面白いです!更新頑張ってください!^_^ (2022年6月5日 0時) (レス) @page50 id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
青春の餌(プロフ) - 佐野さん» わーーんありがとうございます;私の中で傑作になる予定なのでぜひこれからもよろしくお願いします!!!(大嘘) (2022年5月6日 19時) (レス) id: 08381ab857 (このIDを非表示/違反報告)
青春の餌(プロフ) - かわあいさん» 気づくの遅くなって大変申し訳ないです;ありがとうございます!ぜひ飽きずにみてほしいです; (2022年5月6日 19時) (レス) id: 08381ab857 (このIDを非表示/違反報告)
佐野(プロフ) - 更新楽しみにしてます〜! (2022年5月5日 20時) (レス) @page48 id: c029f451b1 (このIDを非表示/違反報告)
かわあい - 更新楽しみにして待ってます! (2022年4月22日 21時) (レス) @page27 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青春の餌 | 作成日時:2022年4月2日 12時