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自分が嫌いで仕方なくなった。自分の努力が報われない気がして、しょうもない嫉妬でデートをすっぽかして、徹の心配も無視して。
自分が、電話の着信音を聞こえないふりをする度に、自分へのきらいが増えていった。
もう苦しかった。徹を好きな気持ちよりも、自分が苦しいという気持ちが圧倒的に大きくなってしまった。
その日の夕方、泣き疲れた私は、休み時間の度に電話をかけてくれていた徹の電話に、初めてでた。
『Aちゃん！？あっ、よかった、繋がった……大丈夫！？』
｢……うん、ごめん、大丈夫｣
『はぁ、本当によかった…………体調はどう？良くなった？』
徹は私がデートをすっぽかしたことを全く怒らなかった。それどころか私の心配をしてくれて。もう枯れてしまったはずの涙が、ぶわりと溢れ出した。
｢う"、ん……｣
『Aちゃん？……泣いてるの？昨日、約束の時間に行けなくてごめんね、本当にごめん。すぐ行くつもりだったんだけど、いけなくて』
彼は優しいから、冷たくあしらうようなことはできない性格なのは知っている。それも分かっていた。
『机の上に置いてあったの、俺にだよね？違ったらごめん、もう食べちゃったからないけど。すっごい美味しくってさ、止まんなくて！ありがとう、Aはほんとおかし作りが上手だね』
｢ーーれよう｣
『……えっ？何？なんて言ったの？ごめんね、今外でさ、』
｢別れよう、徹｣
『…………へ、』
｢ごめん。私、もう、耐えられない｣
『え、ちょ、なん』
プツリと電話を切る。徹が変わらず優しいのが、余計に辛かった。私にはもったいないと前々から感じていたけど、こんな嫉妬に狂う私に彼は似合わないと改めて自覚したのだ。鳴り響くスマホの電源を切る。
ベッドの上にスマホを投げて、サンダルをつっかけて私は家を出る。一日中寝っ転がっていたから身体はだるく重かった。
｢Aちゃん！｣
最初、ついに幻聴が聞こえたのかと思った。
｢Aちゃんっ、待ってよ、ねぇ！｣
手を掴まれて、初めて幻聴でないことに気がついた。振り返るとぐしゃぐしゃに顔を歪めた徹が立ってて。私の、泣きじゃくってぱんぱんになった目元を見て、目を見開いてその涙袋を指でなぞった。
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きゃーぽん(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、すーっごく面白いです！更新頑張ってください！^_^ (2022年6月5日 0時) (
レス) @page50 id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
青春の餌(プロフ) - 佐野さん» わーーんありがとうございます;私の中で傑作になる予定なのでぜひこれからもよろしくお願いします！！！(大嘘) (2022年5月6日 19時) (レス) id: 08381ab857 (このIDを非表示/違反報告)
青春の餌(プロフ) - かわあいさん» 気づくの遅くなって大変申し訳ないです；ありがとうございます！ぜひ飽きずにみてほしいです； (2022年5月6日 19時) (レス) id: 08381ab857 (このIDを非表示/違反報告)
佐野(プロフ) - 更新楽しみにしてます〜！ (2022年5月5日 20時) (レス) @page48 id: c029f451b1 (このIDを非表示/違反報告)
かわあい - 更新楽しみにして待ってます！ (2022年4月22日 21時) (レス) @page27 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青春の餌 | 作成日時：2022年4月2日 12時
