びじねすかっぷる。緑 (ページ49)

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.49. ほんとのページ49

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一年後

｢ねーね、忠義帰ろ？｣

『 ……ほんま、急にそれ言うんやめて？』

｢あー、じゃあもう一生｣

『うわ、ちゃうやん。そういう事じゃ』

あの時とは違って最近は私の方が振り回してる。

『てか、今日も告られたん』

｢おーくまくんだって告られてたでしょ｣

『やっぱモテ男は大変やわ』

｢しばくよ｣

お互い決して低くはない顔面偏差値。
告白されることなんて、おーくまくんの方はしょっちゅうあって。

｢今日ねっ、錦戸先輩にお家誘われたのー笑｣

『急にテンション上がるやん…ってえ、アカンで行ったら』

｢え、｣

『当たり前やろあほ笑』

おーくまくんのイヤホンをかぽっと耳にはめられて、手を繋がれる。

｢行きたかったのに、｣

『そんなに行きたい？』

｢だって錦戸先輩からだよ？｣

昔好きだったからと言って、今更もう一度好きになる、とかそんな事はないと思う。

だって今は、隣にいるこいつが悔しいほど好きなんだもん。

｢んー、家ついた疲れた｣

『ほんまに行く？』

｢行きたい、けどダメなら別に｣

『んー、ほんなら』

そこで口を止めたおーくまくんの手は私のブラウスに。

｢え、ちょ、なに？｣

『俺のもんってシルシつけな』

ブラウスのボタンを外されて、ぎりぎり見えるとこに付く大きなシルシ。

｢ ………んっ、忠義っ、｣

『 …それさ、誘ってんのほんま』

｢あっいや、そんなんじゃない｣

『もっと行かせたくなくなるやんけ』

｢めっちゃ好きだね、私のこと笑｣

どうせ否定されるだろうけど、って思ってたのに

『ほんま、めっちゃ好きやわお前のこと』

ってズルすぎる。

｢名前で呼んでくれないの？｣

『呼んでほしいの？』

｢ ……別に、｣

『素直になりーや。笑ん？』

ニコッと憎たらしい笑顔を私の方に向けて、両手でほっぺたを挟まれる。

｢ ……忠義、呼んで？｣

『えーーー、どうしよっかなぁ』

やっぱり初めに言った言葉は撤回。
振り回されてるのはまだ、私の方で。

｢ …もうおーくまくん嫌い｣

『そこは、忠義やろ？』

私の大好きな顔が近づいてきて、

『ほんっま、行かせたないわ。すぐ帰ってきーや？』

｢ …名前、｣

『わがままなAちゃん笑』

唇が触れる。

最初はビジネス。
好きでもなんとでも無かったのに、

今はほんとにすきなんだよ、忠義。

・・