びじねすかっぷる。緑 (ページ32)

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.32. 先輩！ページ32

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｢ …おーくまくん起きて｣

『 …… 』

｢起きろって｣

『 …… 』

｢おいクソ巨人！！！！｣

『 …… 』

もう知らない。置いていこう。これはおーくまくんが悪い。

｢ …ちゃんとお昼までには来なきゃだよ｣

おーくまくんの手に鍵を握らせて家を出る。
…私、昨日この手に繋がれてたんだ。

｢昨日熱あったのかな｣

今でも錦戸先輩が頭から離れない。
あんだけ嘘つかれたのになぁ。

:

美｢ A～！おはよ！｣

｢美香おはよー！これチョコ｣

美｢やった♥ ｣

｢私には？？｣

美｢ふふ、ホワイトチョコ｣

｢愛してる｣

美｢ウチも♥｣

ホワイトチョコレートが好きって知ってるのは美香だけ。
ふふ、いつ食べよっかなあ～…

安『 Aちゃんおはよ』

｢あ、ハムくん、おはよ｣

安『ちょーだい♥ 』

｢ちゃんと買ってきた～｣

安『ふふ、これ大倉に嫉妬されるかな？』

｢あいつ、幼馴染ちゃんに貰えたらそれでいいもん｣

安『そやなぁ～』

なんて呑気に笑うハムくん。
そうだよ、今思えば私があげなくてもいいんじゃん。

キーンコーンカーンコーン

ホームルーム終わりのチャイムが鳴る。
結局あいつとは会ってない。

｢ ……錦戸先輩っ！｣

ビクッと驚いて振り向いたのは先輩で。

錦『今Aに顔合されへんわ笑』

｢ ……嫌いになりましたか｣

錦『そんなわけないやろ。酷い嘘ついててごめんな、』

眉毛を下げて、タレ目がどんどん垂れていく。

｢ …先輩｣

錦『 …ん？』

｢私、それだけで諦めれるくらいいい女じゃないです｣

｢ …誰が、先輩のこと嫌いになったって言ったんですか｣

震えながら、今の想いをちゃんと伝える。
怖くて顔なんてあげられないけど。

錦『 A 』

｢ …はい、｣

錦『チョコ、ちょうだい』

｢ …へ？！｣

錦『俺のん、無いか？笑』

｢ …あ、ありますよ！貰ってくれるんですか｣

錦『ふは、この流れで貰わんわけないやろ笑』

｢でも、あの…渚さんは｣

錦『渚には内緒。やから、俺とAの秘密…な？』

ずるいです、先輩。
そんな女顔負けの顔で、頭ぽんしてくるのは。

｢ …好きです｣

錦『大倉おんのに、悪い子やなぁ笑』

｢まだ、諦めてないです｣

錦『じゃあこれからもAにだけモテモテの俺でおるな笑』

AA、全力で片思いしています。

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