びじねすかっぷる。緑 (ページ26)

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.26. か弱い子ページ26

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side 大倉

Aが倒れたテスト最終日から、俺もちょこちょこ無理してへんか見張って、分からんとこは一緒に考えてきたから、絶対50点以上取ってると思った。

やから、亮ちゃんにきついくらい抱きしめてあげてって、言おうと思っててん。ほんで、屋上行ったのに、

大『 A？』

屋上のドアの前で突っ立って、もしかして緊張で入られへんのかな？って、からかったろかなって。

大『屋上のドア開けたまんま、何して… 』

Aの奥に見えたんは、あの名前忘れたけど、彼女さんとチューしてる亮ちゃん。

｢おーくまく、…先輩、彼女さん、いたんだ、ね｣

声、震えとんねん。
ゆっくり振り向いたAは涙溜まってんのに絶対流さんようにして、下唇噛みながら笑ってて。

大『 Aっ、』

なんでかわからんけど気づいたら抱きしめとった。
目の前のちっちゃいほんまは弱い女の子を。

｢おーくまく、知ってたのっ… ｣

大『ごめん、』

｢なんで、言ってくれなかったのっ、｣

大『ごめん、』

｢ごめんじゃなくてっ、｣

って屋上のドア閉めてから涙ぼろぼろ流して。

大『言われへんかった、ごめん』

｢ …私、馬鹿みたいっ、｣

大『ごめん、』

｢彼女さんいる人にっ、本気で付き合えると思って…、ハグしてもらう為に大嫌いだった勉強まで頑張ったのにっ、｣

大『 A 』

｢おーくまく、神様は不公平っだよっ、… ｣

いつもの強気なAとは全然違う子みたいで。

大『ごめん、ほんまに』

｢こういう時だけっ、謝ってくんなっ… ｣

大『ごめん』

｢おーくまくんのばかっ、｣

｢ …否定くらい、してよっ… ｣

大『俺にバカって言うて落ち着くんやったらそれでええから』

変やな、俺も。
人にそんなん言われんのうざかったのに。

｢ …もうちょっと、このままがいいっ、… ｣

大『ん？』

｢まだ、離れないで｣

か細い声で小さく言うたAはめっちゃ可愛くて。

大『 …ん、ずっとおるから。ここに。』

｢おーくまく、…諦めろって言ってよ、｣

大『え？』

｢いい加減、諦めろって｣

｢お前には亮ちゃんは無理だって｣

｢ …言われないと、諦められないっから… ｣

Aがどんだけ必死で亮ちゃんを思ってたんか。
亮ちゃんがどれだけAを大事にしてたんか。

ビジネスやからって、キスもできひん俺が一番カッコ悪。

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