びじねすかっぷる。緑 (ページ25)

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.25. 神様ページ25

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ねえ、神様。これは現実ですか。

美｢ A～！！よう頑張ったなぁ、泣きそうやわ｣

安『あと一教科やろ？』

大『数学1、か』

美｢一番勉強してたやん、大丈夫やって！｣

安『そんな泣きそうな顔せんと笑』

そう、私の机の上に置かれた何枚ものテストには、
51点・53点・56点・50点・62点。

大『ふは、そんなぶっさい顔すんなや～』

ぎゅうっとおーくまくんの胸に頭を押し付けられて。

｢ …おーくまく、｣

大『頑張ったんやから、ちゃんとぎゅうってしてきてもらい』

いつものおーくまくんとは違うみたいに。
優しい声で、強い力で。

美｢カップルのイチャイチャはいらん笑｣

安『いや、ほんまやで？？笑』

神様、どうかお願いします。
残りの一教科。50点でもいいんです！

:

｢ ………ハムくん、｣

きっと目には涙が溜まっている。
それを分かって正反対の席の美香も来てくれた。

美｢ A？｣

｢ ……やったよ、51点……やった、｣

美｢うわー、潤むわ目。｣

安『おめでとう、精一杯ギュッてしてきてもらい笑』

｢ …ホームルームまで時間ある、？｣

美『ふふ、10分ある』

｢い、行ってきますっ｣

安『コケたらあかんで～』

急いで屋上の先輩のもとまで。
きっと2年生も今はまだ休憩の時間で。
だから、錦戸先輩が屋上にいることは、分かってる。

2回大きく深呼吸をして、ガチャりと扉を開ける。
ぎゅうっと瞑ってた目を開けると、

｢ ………先輩？｣

屋上にいたのは先輩だけじゃなくて、綺麗な綺麗なお姉さん。

( …亮、亮が好きなのは私だけ？ )

錦『 …急にどうしたん』

( 最近、不安になっちゃって、 )

錦『渚以外おるわけないやろ、』

本来なら、私が抱きしめられるはずの腕でぎゅうっときつくお姉さんを抱きしめてる先輩。
こんなとこ、早く出ていきたのに足も動かないくらい、動揺してて。

大『 A？』

後ろから、おーくまくんの声がする。
振り向いたら、バレちゃうよ。

大『屋上のドア開けたまんま、何して… 』

あーあ、おーくまくんも見ちゃったよ。
お姉さんと先輩のハグして、さっきまでしてなかったキス…まで、してるとこ。

｢ …おーくまく、…先輩、彼女さんいたんだ、ね｣

ニッコリ、できるだけ不自然じゃない笑顔で。

笑うんだよ、私。得意でしょ？

ねえ、神様。私何かしましたか

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