びじねすかっぷる。緑 (ページ24)

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.24. しつこいページ24

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うるさい、うるさすぎる。

大『なぁ、もっかい』

｢うるさい｣

大『はよ？』

｢もう言わないし｣

大『なんでなん？』

｢私が別に呼ぶことないもん｣

大『じゃあなんでさっきは言うたん？』

｢だからっ、あれは幼馴染ちゃんの真似だってば！｣

なんでおーくまくんがこんなにいつもよりめんどくさいかと言うと、さっきの〝忠義〟呼びが原因らしい。

大『てか、ずっとやけどおーくまくんですらないからな？』

｢おーくまくんじゃん｣

大『大倉やから！』

｢じゃあ大倉くんで満足？｣

大『違う、忠義』

｢その呼び方はやだ｣

大『なんで？』

しつこい、しつこすぎるけど。

｢だって、その呼び方するのは幼馴染ちゃんだけでしょ？そういうのは大切にした方がいいと思う｣

大『 …… 』

｢しかも、幼馴染ちゃんっておーくまくんの好きな人だし｣

大『そんなん、別に』

｢ほーら、大切なふたりの呼び方をこんな部外者に壊されたら、ね？｣

なんかぽいことがどんどん口から出てくる。
おーくまくんは黙っちゃったし。笑

｢よし、じゃあご飯作り直そ｣

大『 …ほんまに、俺がしんどなった時は呼んでや』

それだけ言ってまた隣に並んで野菜を切るおーくまくん。

｢ふふ、分かった｣

大『何笑っとんねん』

｢学校の子はおーくまくんがこんなにめんどくさいって知らないんだろうなぁーって｣

大『せやな、Aだけが知ってたらええよ』

…なにそれ、ちょっと特別？

｢じゃあ私がワガママなのもおーくまくんだけでいいよ｣

大『自己中な所もやろ？』

大『あと、ドジな所も』

大『あ、まだ経験ない所も』

｢黙れ｣

大『なあなあ、ほんまに経験無いん？笑』

どう考えても馬鹿にしてるような笑い方で。

｢高校二年生で経験ある方がおかしい｣

大『へぇ、でもキスはあんねやろ？笑』

｢あるよ｣

悔しかったから、嘘ついて背伸びして言ったのに

大『は、誰そいつ』

ってなんでおーくまくんが機嫌悪くなるんだよ。

｢嘘｣

大『なんやねんお前笑』

｢おーくまくんはキスあるの？｣

大『おん、初キス幼稚園やから』

｢うわー、マセガキ｣

大『しばくぞ笑』

｢幼馴染ちゃんともあるんだ｣

大『おん、幼稚園でキスしたんが莉子』

初恋の相手がファーストキスの相手なんて幸せだろうなぁ

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