びじねすかっぷる。緑 (ページ23)

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.23. 錯覚ページ23

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side 大倉

なんで俺、今抱きしめ返されてんの？？
A悪ないのに。

｢ …私、おーくまくんがビジネスだとしても彼氏で良かった、もん｣

大『 …… 』

｢ …… ｣

大『 …… 』

｢ …なんか、言ってよバカ｣

俺の腰に巻きついてた腕の力がふわっと緩まった時、さっきよりもきつく抱きしめとった。

｢ …おーくまくん｣

大『もうちょい、このままでおらせて』

｢でも、私たちは｣

大『言うな』

｢私は｣

大『言うな』

｢ビジネスカップルだから、｣

大『言うなって言うたやろ』

なに俺、カッコわる。
こんなんしたいんとちゃうのに。

大『ちょっと莉子と錯覚してた、ごめん』

｢ ……もう、無駄に緊張したし｣

大『危なかったな、ハグで止まって良かったやん笑』

｢ほんと、他の女と間違われてたとか最悪～｣

口からは嘘がバンバン出ていって。
あれ？いつの間にAがこんなにでかい存在なってた？

｢ …じゃあそろそろ離してよ笑｣

大『おん、ごめんごめん』

｢夜ご飯今日作る｣

大『おん、よろしく』

すっと立って、すぐにキッチンに向かうA。
こっから、キッチンはすぐ見えて。

大『俺も手伝おか～』

｢当たり前でしょ｣

大『ほんま、可愛くないやつ笑』

｢おーくまくんに可愛いなんて思われなくて結構｣

大『はぁ？！酷ない？それ』

｢いつも通り～平常運転～｣

ほんま何言うてんねんこいつ。笑

｢でねー、さっき先輩来てくれたでしょ？！｣

｢私、50点以上取れたら先輩にハグして貰えるの｣

大『聞いた』

｢やばくない？好きな人からのハグとか緊張して何も話せなくなりそ～｣

大『俺とのは？』

｢え？｣

困らすこと言うのも分かってる。
今、頭の中に亮ちゃんしかおらんのも分かってる。
でも、

大『俺は好きな人ちゃうから、ドキドキせえへんかった？笑』

ちょっと笑っとかな本気に受け止められそうやから。
Aがなんて言うかもう大体予想ついてるで。

｢あー、また幼馴染ちゃんと思ってるでしょ｣

って。ほらな。

大『おん、莉子やったらなんて答えてくれるかな？笑』

｢ …忠義の方が、ドキドキするに決まってるじゃんっ… ｣

大『 ……え、』

｢って言うと思う笑｣

キッチン立ちながら莉子の前してケタケタ笑ってるけど、今、俺。

自分の名前世界一好きなったわ。

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