17話 ページ19
鯉伴side
「なに若菜が!」
俺は久しぶりに大声をあげたような気がする。それも少し前に飛んできたカラスのせいだ。
出入りがすんなり終わった俺はこのまま何時ものように帰ろうとする時にカラスが飛んできた。
「なに!」
それに答えるようにカラス天狗が声を荒らげていた。何事かと思い。
「なんだぃ?何かあったのか?」
と聞くとカラス天狗が焦った声が俺の問いに答えた。
「鯉伴様!若菜様の陣痛が始まったそうです!」
カラス天狗の声で先程まで騒いでいた俺の百鬼夜行はシンッと静まる。そして
「若菜様がー!!」
「ど、どうしよ!?」
と、騒ぎ出した。
俺も内心は驚いているし、焦ってもいる。
何時も通りだった出入り。行ってくる。と言うと若菜が大きくなった腹を大事そうに撫でながら、別の手でリキトの手を握り、微笑んだ。そして、リキトも可愛く手を振っていってらっしゃいと言った。その後…か?
それならすぐに帰らなきゃならない。
「おめぇら!かえるぞ!」
「……お、おう!」
先程とは異なり緊張感が漂う百鬼。残念ながらそれを気を使えるほどの余裕も俺には存在しなかった。何故なら
「それに、若菜様を見てられるのはリキト様と毛倡妓だけだそうです!鴆もこちらにいるので早く向かった方がよろしいかと!」
と言う言葉だった。
「くそ……」
これ程自分が無能だとは思わなかった。
無意識に手に力がこもり、次第に足が早くなる。若菜のことも心配だか、リキトも心配だった。
リキト、若菜、すまねぇが、もう少し待っててくれ。
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ゆりかめ(プロフ) - ウタさん» そう言っていただけて嬉しいです。すいません、諸事情により更新出来なかったです。もし見ていらしたら今後ともよろしくお願いします (2019年2月10日 11時) (レス) id: a0be7eaf10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかめ(プロフ) - 渚果さん» 読んでいただきありがとうございます。返事遅くなってほんとに申し訳ないです。そう言って頂けると嬉しいです。もし、まだ見ていらしたら今後ともよろしくお願いします (2019年2月10日 11時) (レス) id: a0be7eaf10 (このIDを非表示/違反報告)
ウタ - 本当に面白いです!だが、何故。何故ここで途絶えてしまった更新よ… (2018年10月8日 1時) (レス) id: 5d727cd1f1 (このIDを非表示/違反報告)
渚果 - 鯉伴大好き。リクオ愛してる。もう文章が頭ん中でアニメ化して悶絶してたよ← (2016年8月29日 20時) (レス) id: 604b4eb537 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかめ(プロフ) - コーヒー豆さん» ありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです!頑張ります!これからも宜しくお願いします! (2016年8月12日 15時) (レス) id: 3c24bb2dd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりかめ | 作成日時:2015年4月25日 15時