7話 ページ7
「疲れた…眠い…」
結局退勤するまで、あの5人にとっては笑えるらしいお話を聞きながら相槌を打つ激務をこなした。
ただ聞き流していられればよかったのに、たまに「Aちゃんはどう思う？」とキラーパスをされるおかげで、よく分からないのに一言一句聞き逃さないよう頑張った。
終電の時間が迫る帰り道、いつものようにスカウトのお兄さんを避け、キャッチのお兄さんも避け、もちろん、知り合いがいないか目を見張りながら駅に急ぐ。
知り合いに会っても問題ないんだけど、好きでこの仕事を選んだわけじゃないし、私は胸を張って夜働いてます！とは言えなかった。
知り合いに会えば間違いなく第一声は「最近何してんのー？」だろう。それに続いて「仕事はー？」「今こっち住んでるのー？」
私にとっては煩わしい質問だらけになるだろうその再会は、できれば避けたかった。
「ただいまー。」
「おかえりー。」
まだ起きていた母は微笑んで、何か食べる？と聞いた。
「いいよ。食べない。」
「そう。お風呂沸いてるからね、あと、タッパーに入った煮物は好きに食べて。じゃあお母さん寝るわね」
「うん。ありがとう。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
母は優しい。その見返りを求めない優しさに甘えながら、私は生きている。
食べない。と言ったのに、好きに食べて。と言葉を残したのは、きっと無自覚なんだろう。
食べない。というか食べたくない。ただ普通に寝たい。
お母さんの煮物は、おいしく食べたい。
お風呂から上がって、歯磨きも済ませ、いつもの悪あがきで、アラームをセットする。
これでいつか、生活リズムを朝型に戻すんだ。
目を閉じると体の疲れをひしひしと感じる。
寝不足で増えたおでこや顎のニキビに触りたくなるのをぐっと堪える。
寝返りを打つとずれる掛け布団を首元まで引っ張る。
いつも何時間経っても足先が全然あったまらない。
…今日も眠れない。
おもむろに部屋から出る。キッチンに向かった。
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七(プロフ) - suuuさん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！（ ; ; ）更新頑張りますのでよろしくお願い致します〜！ (2019年5月18日 16時) (
レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
suuu(プロフ) - はじめまして♪凄く素敵なお話なので引き込まれて一気に読んでしまいました。続きを楽しみにしています^ ^ (2019年5月14日 20時) (レス) id: d89ec2794d (このIDを非表示/違反報告)
七(プロフ) - Appleさん» えぇーー(/ _ ; )めっちゃ嬉しいですー！ありがとうございます！！ (2019年4月4日 7時) (レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
Apple(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新ファイティン！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 075ced9f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七 | 作成日時：2019年4月3日 16時
