39話 ページ39
あと1時間程で始発が出る。
ソファを背もたれにしていたジョングクさんはそのまま床になだれ込むようにして寝ているし、そのソファにはテヒョンさんが寝ている。
ジミンさんはテヒョンさんから勝ち取ったベッドに寝ているようだ。最初は私に譲ろうとした彼だったが、私が寝れるとはいろんな意味で到底思えなかったので遠慮させていただいた。
誰かが起きたタイミングでお暇しよう。
眠たくなるわけでもなく、他人のお家で特にしたいことなどなく、窓から差し込む月の光に照らされたテヒョンさんの寝顔を見ていた。
伸びたまつ毛の影が綺麗。
無防備な寝顔を盗み見る罪悪感のようなものに背筋が少しぞわぞわする。
月の光を受けるために造られたかのような、触れたら壊れてしまうんじゃないかと思わせるその全てを前にして、落ち着いてため息すらつけなかった。
もう見るのはよそう。
物音を立てないように、テーブルの上に置きっぱなしだったスマホを手に取る。今思いつく暇つぶしはこれしかない。
アプリを開いては閉じるのをいくつか繰り返したあと、なんとなく写真のフォルダを眺める。
…人の寝顔を見る時の自分の感情の動きを、私は何度記憶しただろうか。
ふと暗い記憶がフラッシュバックして、目を強く瞑る。嫌だ。苦しい。
喉元に手が伸びる。いつからか、喉や首を触る癖がついた。
こんな時は特に。
あの時私が目を開けたら？
もし声を出したら？
私の拒絶を受け入れてくれただろうか
写真のフォルダを遡るみたいに
もしあの日に戻れたなら
私は、
「まだ起きてるの？」
「…っ」
「ごめん。びっくりしたね。」
「…ううん、大丈夫。」
「いま何時？俺、どんくらい寝てた？」
「今は、4時過ぎだよ。そんなに長くは寝てなかったと思う」
「そっかぁ。…変な夢見ちゃった」
「…どんな？」
唐突に聞こえたテヒョンさんの声に、全身でびっくりして正直焦った。今もまだ驚いた衝撃の残像が頭部にある。
テヒョンさんは穏やかな口調で、床に横たわるジョングクさんを避けながらソファから降り立った。
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七(プロフ) - suuuさん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！（ ; ; ）更新頑張りますのでよろしくお願い致します〜！ (2019年5月18日 16時) (
レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
suuu(プロフ) - はじめまして♪凄く素敵なお話なので引き込まれて一気に読んでしまいました。続きを楽しみにしています^ ^ (2019年5月14日 20時) (レス) id: d89ec2794d (このIDを非表示/違反報告)
七(プロフ) - Appleさん» えぇーー(/ _ ; )めっちゃ嬉しいですー！ありがとうございます！！ (2019年4月4日 7時) (レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
Apple(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新ファイティン！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 075ced9f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七 | 作成日時：2019年4月3日 16時
