38話 ページ38
片付けは俺らでするよ！と立ち上がったジミンさんに断って、洗い物までさせてもらった。仕事がある方がここに居やすいのだ。
気づけばテヒョンさんはシャワーを浴びに行って、その間にジョングクさんは寝てしまった。
ジミンさんは私の飲みかけの缶ハイボールを持って、キッチンに来た。
「良いお嫁さんになりそう」
「はは、そうでしょうか。ご迷惑をおかけしてるのにこれくらいしか出来ることが思いつかないし不甲斐ないですよ」
「何言ってんの、来てくれて良かったよ」
「いやいや…」
「またおいでよ」
思わずジミンさんの顔を見た。ジミンさんは至って普通といった顔で私を見ていた。どういうつもりで言ったんだろう。
どこにおいでって？
「あ、いや、ごめん、そうだよね」
何かを察して謝り始めたジミンさん。
私はなんて返せばよかったのかな。
「楽しい…です」
「…」
「…すみません」
「いや！違う！ごめん！
まさか楽しいって言われると思ってなくて」
素直な気持ちを言ってみたのだけれど。一瞬目をまん丸にした後、また謝られてしまった。
「楽しんでくれてたなら良かった。歳も近いし、もっと遊べたら良かったのにね」
ジミンさんが言った。
確かに、もっと遊べたら良いのになって私も今思ったけど、きっとジミンさんも私も同じことを考えたと思う。
お客様とスタッフ。
なのに私と皆さんがプライベートで会っているこの時間は、お店に何の利益も生まない。
出会い方が違えば、こんな風には思わなかったのに。でも私達は他にどうやって出会えただろう。
「気軽に声かけて下さいって言えないのが歯がゆいです。なんかビジネスのにおいがしちゃいますもんね」
「俺もごめんね。家になんか上げて」
「い、いえ！悪いのは私なんですから。やめてください」
ちょっとだけ重くなった空気。私は楽しいって思っちゃいけなかったのかもしれない。私はお店にとっても悪いことをしたのかもしれない。
「上がったよー」
テヒョンさんが首にタオルをかけて、白い無地のＴシャツとグレーのスウェットのスタイルで出てきた。
ぶわっと漂ったシャンプーの香りが、余計に場違いな私を際立たせる気がした。
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七(プロフ) - suuuさん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！（ ; ; ）更新頑張りますのでよろしくお願い致します〜！ (2019年5月18日 16時) (
レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
suuu(プロフ) - はじめまして♪凄く素敵なお話なので引き込まれて一気に読んでしまいました。続きを楽しみにしています^ ^ (2019年5月14日 20時) (レス) id: d89ec2794d (このIDを非表示/違反報告)
七(プロフ) - Appleさん» えぇーー(/ _ ; )めっちゃ嬉しいですー！ありがとうございます！！ (2019年4月4日 7時) (レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
Apple(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新ファイティン！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 075ced9f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七 | 作成日時：2019年4月3日 16時
