27話 ページ27
社内見学は読んで字の如く、普段社員さん達が働いているオフィスを見学できる、感謝祭の企画のひとつだ。
どこまで見学できるのかも所要時間も知らないが、きっとあの2人のどちらかに聞けば教えてもらえるだろうと安心していた。
それにしても広い敷地だなぁ。どれだけの社員さんが所属しているんだろう。来場者の数もさることながら、通り過ぎる社員さん(イベントＴシャツやブルゾンをお召しの)の数を見てふと思う。
ある程度歩くと、少し人気のない場所に社内見学はこちらと書かれたボードが出ていた。それに従い進んでいくと、前方に人影が見えた。
「ああ！Aちゃん！」
「こ、んにちは」
先ほどぶりの元気なテヒョンさんだ。笑顔が眩しい。
この場に不必要なほどのオーラが放たれている気がする。私の贔屓目でも何でもなく客観的な事実だ、と自信を持って言えそうなほど。
脚長い…なんて考えながら近づく。
「ここまで迷子にならなかったですか？」
「はい。いくつか矢印のボードも出てたので…」
「そっかあ。迷ってたらどうしようかと思ってました。」
だから外で待ってたのかな？
会話をしながら自然と中に案内される。綺麗なフロント。
フロントの受付も過ぎたエレベーターの前に数名がたむろしており、他に正面入り口に誰かが向かう様子もない。テヒョンさんは会社の建物の正面入り口の前に立っていたが、本来来場者を迎え入れる場所はエレベーター前らしい。
「まずここが入り口で、受付があって、エレベーターがあります。今から乗ります。」
「は、はい。」
「5階に行きます」
「はい。」
え…雑…。と初めて参加しておいて失礼なことを思ったが、テヒョンさんは決してふざけているわけではなく、きっとそれがテヒョンさんのスタンスなんだろう。でもシンプルにめちゃくちゃマイペースだな、と思った。
テヒョンさんはエレベーター前の男女数名の社員さんに、こちらの方ご案内してきます。と一言言って会釈したので、私も一応倣って会釈した。
「このエレベーターのモニターには防犯カメラの映像が映ります。Aちゃんも手を振ってみてください」
「えっ？」
「ほら、僕が僕に手を振ってます」
何やってんだこの人…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七(プロフ) - suuuさん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！（ ; ; ）更新頑張りますのでよろしくお願い致します〜！ (2019年5月18日 16時) (
レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
suuu(プロフ) - はじめまして♪凄く素敵なお話なので引き込まれて一気に読んでしまいました。続きを楽しみにしています^ ^ (2019年5月14日 20時) (レス) id: d89ec2794d (このIDを非表示/違反報告)
七(プロフ) - Appleさん» えぇーー(/ _ ; )めっちゃ嬉しいですー！ありがとうございます！！ (2019年4月4日 7時) (レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
Apple(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新ファイティン！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 075ced9f09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七 | 作成日時：2019年4月3日 16時
