26話 ページ26
冷静なフリをしなければ、余計にテンパってしまう気がした。私はよく自分の感情をコントロールしようとする。我慢は昔から得意だった。
吹奏楽部の公演は結局、その後続けて4曲も披露して終了した。
2人には後で改めて説明をしようと決断し、拍手に包まれる会場の中を突っ切る。お姉さんの元に一目散に駆け寄り頭を下げると、お姉さんは笑って許してくれた。
座るよう促してくれたので、ひとまず腰を下ろす。さっきまでいた場所に目をやると、もう2人の姿はなかった。
深く息をする。
ああ……ずっと堪えていた感情が次から次に忙しなく溢れ満たす。今日もテヒョンさんは美しかった。無邪気に笑った顔や、眉毛を下げて詰め寄る姿、必死な顔、嘘みたいに綺麗でどこか夢みたいだった。
なぜならそのどれもが私に向けられていたものだったのだ。冷静なフリをして自分の心を誤魔化していたが、そんな状況でも心はちゃんと本当の気持ちを感じ取っているんだなと思った。
テヒョンさんはきっと、心まで綺麗な人だ。
でもどこか見た目の綺麗さとはベクトルが違う。綺麗なもの同士でも、違和感があるのだ。彼の魅力のひとつだと思う。どこを切り取っても純粋な美しさを持っているけれど、その全てが別物に感じるような。
不思議な人だな。一言で言い表せられないように、きっと1日2日で理解できる人じゃないんだろう。と思った。
ママが戻ってきた。社長さんは会場入り口でたくさんの社員さんに迎えられ、ちょうどそこで別れてきたようだ。
おかえりなさいと軽く言葉を交わし、尋ねる。
「おふたりは今からどう過ごされますか？」
「どうする？私はとりあえずまだここで休んでようと思うけれど。」
「私もママと休んでようかな。」
「じゃあ私、一件寄りたい所があるので行ってきてもいいですか？」
「良いわよ？抽選会の前には戻ってきてね。」
どこに行くの？と聞かれ社内見学と答えると、どうやらふたりは過去に何度か参加したことがあったらしい。今年は参加するつもりは無いらしく、楽しんでおいで〜と手を振られた。
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七(プロフ) - suuuさん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！（ ; ; ）更新頑張りますのでよろしくお願い致します〜！ (2019年5月18日 16時) (
レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
suuu(プロフ) - はじめまして♪凄く素敵なお話なので引き込まれて一気に読んでしまいました。続きを楽しみにしています^ ^ (2019年5月14日 20時) (レス) id: d89ec2794d (このIDを非表示/違反報告)
七(プロフ) - Appleさん» えぇーー(/ _ ; )めっちゃ嬉しいですー！ありがとうございます！！ (2019年4月4日 7時) (レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
Apple(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新ファイティン！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 075ced9f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七 | 作成日時：2019年4月3日 16時
