13話 ページ13
「失礼します」
辛うじて一言発して、席に着く。テーブルのお皿に持ってきたお菓子を並べると、分かりやすく左隣の彼が目をキラキラさせた。
はは。かわいい。先ほどの激しい感情の起伏にちょっと疲弊した私は、もうこの小動物にしか見えない彼に現実逃避しようと思った。
うさぎさん(本当にうさぎみたい)は、お菓子を並べ終えたと思ったら自分を見つめてくる私に戸惑いながら、食べていいのか迷ってる。
あれ。よく見ると彼もすごく顔が整ってる。体格も良いし、身なりもきちんとして、きっと人気者ね。
特に何も気にせず、ぼーっとうさぎさんを眺めていると、驚くことに彼は喋った。
正確に言うと、彼が喋ることは異常でも何でもないと思う。ただ、私に向けて声を発したのだ。
「えっ？」
あまりに驚きすぎて、聞き逃してしまった。
「…どうして、いや、僕の顔何か…付いてますか…？」
彼は訝しげに自分の顔を触りながら小さな声で尋ねた。
「あ！あ、その、私、ごめんなさい。大丈夫です。何も、付いてないです」
「…そうですか」
彼は釈然としない表情で、私の目を見た。
そこで私はまた驚いてしまって、もう申し訳ないという自覚もある。
私ってば両隣のお客様を人間扱いしていないってことじゃない。
自責の念にかられながらも、彼と目があったまま、お菓子をどうぞ。と渡してみる。彼はチョコレート味のスナック菓子を好んで召し上がっていたから、同じものを持ってきた。
ぴょん！と効果音が付きそうな喜び方をした。ように見えた。目をまん丸にして視線がお菓子に集中しただけだったかもしれないが。
ああ。私はよくないフィルター越しにこのお客様を見ている…と反省している隣で、さっきよりも幾分嬉しそうにお菓子を頬張っている。
もしかして、話したことでちょっとだけ警戒心が解かれたのかな。
もぐもぐ食べ進める彼を、やっぱり眺め続ける私。
もう彼も特に動じない。
本当に好きなのね、このお菓子。
ほのぼのとした光景を穏やかな気持ちで見守っていた時だった。
「ジョングク、」
私の後ろ髪が揺れた。
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七(プロフ) - suuuさん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！（ ; ; ）更新頑張りますのでよろしくお願い致します〜！ (2019年5月18日 16時) (
レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
suuu(プロフ) - はじめまして♪凄く素敵なお話なので引き込まれて一気に読んでしまいました。続きを楽しみにしています^ ^ (2019年5月14日 20時) (レス) id: d89ec2794d (このIDを非表示/違反報告)
七(プロフ) - Appleさん» えぇーー(/ _ ; )めっちゃ嬉しいですー！ありがとうございます！！ (2019年4月4日 7時) (レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
Apple(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新ファイティン！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 075ced9f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七 | 作成日時：2019年4月3日 16時
