11話 ページ11
いたずらな顔をしてムキになったジミンさんをおちょくっている。仲が良いんだなあ。
ジミンさんが戯れるみたいに私の右隣の男性の胸ぐらを掴んだ。
ああ、テーブルの上のグラス倒さないでねー。なんて呑気に考えながら、ジミンさんのグラスをそっとテーブルの中心に避ける。
「次言ったらその身長縮めてやる！」
「俺より背低いのにどうやって？」
「テヒョーーン！」
ジミンさんが身長をいじられて怒った。ぷんぷんしているけど、そんな時ですらかわいらしいお顔。そしてなんだこの痴話喧嘩。もう私と席変わりますか？胸ぐらを掴むのをやめない立ちっぱなしのジミンさんを見ながら思った。
そして、この右隣の方はテヒョンさんってお名前みたい。隣に顔を向けた。
胸ぐらを掴まれて、おでこにおでこをグリグリされながら「離れろって！」と笑う彼。
それだけなのに、どうしてだろう。
私の胸は詰まって、息が止まるみたい。
「綺麗…」
さらさらとして無造作にセットされた髪、その下に覗く瞳が、睫毛が、眉が、鼻が、唇が。綺麗な肌と造りものみたいなフェイスライン。
相手の肩を掴むために手が伸びてきたのを見て更に息をのむ。
手まで…
人形みたい。
人形みたいな人が、凄く凄く人間臭く生きている。
私の口から感嘆の声が小さく漏れた。
その空間だけ、時空が歪んだみたいな感覚になって、長い間のような、一瞬のような気もする。私はどれだけ彼の横顔を見ていたのかは分からない。
我に帰り視線を逸らすと、ジミンさんはもうぷんぷんどころか何故か上機嫌で自席に座り、グラスを傾けていた。
左隣の彼はお菓子をみっつも完食していて、テーブルの上のお皿の上が品薄になっている。
また、私にだけ少しおどおどした様子の彼からお菓子のゴミを回収する。けれど私はもう彼のことを見てもいない。
神秘的な何かを見てしまった、見つけたらいけないものを見つけてしまった。そんな、興奮やときめきと恐れの混ざった浮遊感で、ぼうっとしていた。
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七(プロフ) - suuuさん» はじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます！（ ; ; ）更新頑張りますのでよろしくお願い致します〜！ (2019年5月18日 16時) (
レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
suuu(プロフ) - はじめまして♪凄く素敵なお話なので引き込まれて一気に読んでしまいました。続きを楽しみにしています^ ^ (2019年5月14日 20時) (レス) id: d89ec2794d (このIDを非表示/違反報告)
七(プロフ) - Appleさん» えぇーー(/ _ ; )めっちゃ嬉しいですー！ありがとうございます！！ (2019年4月4日 7時) (レス) id: fe0f850a86 (このIDを非表示/違反報告)
Apple(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！更新ファイティン！ (2019年4月4日 0時) (レス) id: 075ced9f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七 | 作成日時：2019年4月3日 16時
