四十四話:毛量 ページ46
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図書室を目指しながら廊下を歩く。その間預かった書類に軽く目を通すが、部分的に知らない点がいくつかあった。これをエーミールに聞け、ということだろう。
書記長室から図書室までの距離はさほどなく、歩いて3分ほどで目指していた場所に到着することができた。扉を開ければほのかに香る紙の匂いと、感じる落ち着いた雰囲気。
受付のところにいたメイドがこちらを確認した。俺が来るのは驚いたのか、少しばかり目を見開いた彼女。しかし大声を出すこともなく、綺麗に一礼し再び自分の仕事へ戻っていった。
俺の周りには自分に媚びを売るように猫撫で声で擦り寄ってくるメイドしかいなかった為、少し意外である。ここは図書室だから落ち着いたメイドたちが集められているのだろう。ありがたい。
そのメイドにエーミールはいるかと声を控えめに尋ねれば、先程あちらの方でお見かけ致しましたと部屋の奥の方を指差したメイド。
礼を言ってからそちらへ向かえば、こちらに背を向け集中した様子で本を読んでいるエーミールの後ろ姿を見つけた。
いや無防備すぎるだろ。いくら戦闘員ではないと言えど、近づいてくる気配は感じ取れるようにしてほしい。仮にも軍お抱えの参謀なのだから。
どうやら手元の本に夢中のようだが、生憎俺にも時間がない。早いうちに話を終わらせようと彼の名前を呼ぶが、彼は本に夢中すぎて気づいていない様子だ。
物語に夢中になればなるほど周りが見えなくなるのはこいつの悪い癖だ。決して馬鹿にしてやろうとか下心があったわけじゃないが、あったわけじゃないが(強調)彼の視線をこちらに向けるためにとある手段を使うことにした。
貴「おいハゲ」
em「禿げてへんわ！！！！！」
「エーミール様、図書館ではお静かにお願い致します。」
em「アッすんません……。」
秒速で咳を立ち上がりぐるんと首をこちらに捻ったエーミールだったが、瞬時にメイドに怒られていた。ビクビクしながら謝る姿が面白くて、口元をおさえて声を殺しながら笑う。
彼は前話でも紹介がされた、エーミール・マンダーラー・オリオン。参謀の一人である。親密度としては俺たちが入隊した次の年にこいつが軍に入ったこともあり、グルッペンたち三人の次に続いて古い仲である。
ハゲ、というのはエーミールが二番目に気にしている問題であるためこう呼ぶと毎回過剰に反応するのだ。
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傘木わう(プロフ) - ピースさん» ご協力ありがとうございます、よろしくお願いします！！ (2022年5月8日 19時) (
レス) @page48 id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
ピース - 検索避け!そうでした,ごめんなさい次から気をつけます (2022年5月6日 8時) (レス) id: b650542de4 (このIDを非表示/違反報告)
傘木わう(プロフ) - ピースさん» コメントありがとうございます！沢山の人と絡ませたいあまりにどんどんとキャラを出しています…検索避けにご協力くださると嬉しいです！親しい仲には気を抜いてしまう系男子です、ぜひ！！！ (2022年5月5日 19時) (レス) @page47 id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
ピース - 更新お疲れ様です！エミさんがでてきましたね！初期のような敬語ではなく、崩しているのが完成度高杉くん、、惚れていいですか？ (2022年5月5日 0時) (レス) @page47 id: 3795c39556 (このIDを非表示/違反報告)
傘木わう(プロフ) - 三日月さん» わ、コメントありがとうございます！！皆あまりすぎる褒め言葉いただけて光栄です…！！応援ありがとうございます、頑張ります！！ (2022年4月25日 22時) (レス) id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：傘木わう | 作成日時：2022年4月4日 0時
