三十四話:番犬 ページ36
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上着を脱いで、その上着で俺とゾムを結びつける。多少服が汚れるだろうが、人助けだ。経費で落ちますように。自費だとしたらロボロに払わせるから問題ないが。
簡易的な抱っこ紐のようになった上着と、俺に密着するゾム。多少揺れるだろうが勘弁してくれと心の中で謝りながら駆け出そうとした時。クゥンと、蔦に絡まった狼が鳴いた。
ひどく悲しそうなその声に思わず足が止まる。お腹を空かせているのか、しかし生憎今は食べ物を持っていない。ごめんなぁ、と思いながら狼の方を振り向いた。
＿＿＿心臓が、まろび出たかと思った。ついさっきまで蔦に絡まっていたはずの狼が、すぐ後ろにお座りをして俺の服の匂いを嗅いでいた光景なんて誰が想像できるだろう。反射的に剣を抜きそうになったが、なんとか押さえた。
今の俺は完全に隙だらけだったはずだ、襲われれば一瞬だった。…それなのに、襲われなかった？
そこであることにふと気がつく。
さっきは違和感なく狼として受け入れてしまったが、今思えばここらへんでの狼の目撃情報は上がっていなかったハズだ。それに狼は大体タイガに生息するが、ここに生えている木は松じゃない。つまりここは、おそらくただの森林。
さらに言えば、狼は群れで生活する動物だ。それなのにこいつ一匹だけ。不思議である。
抱きかかえているゾムをよく見た。そこで気がつくのは、体にかかっている血のほとんどは返り血であるということ。もちろん深い傷なんかも見えたため全てがそうというわけではないが、傷は獣に噛みちぎられてつけられたという痕ではない。
貴「…オイオイ待て待て。ってことは、お前もしかして…。」
先ほどの警戒した表情とは打って変わって、呑気にゆらゆらと尻尾を揺らしている澄まし顔の狼。よくよく見れば毛で隠れていてわからなかったが、首元に鎖のようなものがついていた。…首輪？
警戒しながら手を出す。この仮説が間違っていれば軽く指が一、二本持っていかれるため冷や汗が噴き出たが、この狼はおとなしかった。
毛をかき分けて鎖をつかむ。そこにはドックタグと同じようなものがついていた。……「
貴「はは、なんだ、なんだお前…こいつのペットか。」
そう聞けば「そうだよ」と言うように短くわふっと吠えた狼…イフリート。そんなのありかよ、と乾いた笑いが漏れる。狼ペットとか、ワイルドかよ。
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傘木わう(プロフ) - ピースさん» ご協力ありがとうございます、よろしくお願いします！！ (2022年5月8日 19時) (
レス) @page48 id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
ピース - 検索避け!そうでした,ごめんなさい次から気をつけます (2022年5月6日 8時) (レス) id: b650542de4 (このIDを非表示/違反報告)
傘木わう(プロフ) - ピースさん» コメントありがとうございます！沢山の人と絡ませたいあまりにどんどんとキャラを出しています…検索避けにご協力くださると嬉しいです！親しい仲には気を抜いてしまう系男子です、ぜひ！！！ (2022年5月5日 19時) (レス) @page47 id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
ピース - 更新お疲れ様です！エミさんがでてきましたね！初期のような敬語ではなく、崩しているのが完成度高杉くん、、惚れていいですか？ (2022年5月5日 0時) (レス) @page47 id: 3795c39556 (このIDを非表示/違反報告)
傘木わう(プロフ) - 三日月さん» わ、コメントありがとうございます！！皆あまりすぎる褒め言葉いただけて光栄です…！！応援ありがとうございます、頑張ります！！ (2022年4月25日 22時) (レス) id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：傘木わう | 作成日時：2022年4月4日 0時
