三十二話:月光 ページ34
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俺ちょっと気になるから隣の森探してくる。
そう言ってインカムを切り、自分は少しここを離れると行くことを伝えれば、涙目の状態だったが震える手を押さえて頷いてくれた。
とりあえず山賊たちが万が一目が覚めても大丈夫なようにロープでグルグルのギッチギチに縛ってから、森の中に足を踏み入れる。なかなか草の丈が高いため隠れるのには最適と思われたが、歩いてみると枯れ枝も多く落ちていることに気がつき逃げることには向いていないことを把握する。
目や耳を済ませながらしばらく奥に進めば、少し開けたところにでた。ここはそんなに草の丈も高くないため、この先に逃げられているとなると追いかけるのは至難の業だが…。
しかしこの先は違う村がある、他の隊員が見張っているハズ。深追いをしてもあまりいいことはなさそうだ。
少し考えてやっぱり引き返そうとした。刹那、視界の端で光る何かを捉えた。
一気に緊張感が増す。夜中の森の中で光るものと言ったら？ヤマネコの目だろうか。いや、猫の目の光はこんなに明るくないハズ。
月光を反射した水面？まさか。水音は聞こえない。
ライトか、月光を反射する光沢のあるもの…ナイフなどだとしたら。
どうやらもう少し奥に進まなければいけない理由ができてしまったようだ。足音を立てないよう極力息と気配を殺し、抜き足差し足忍び足で近寄った。
俺隠密行動向いてないんだよなぁ、そういうのは暗殺部隊の方がスキル上なんだけど…と内心不安を明らかにしながらある程度近づいたところで、わずかな足音が聞こえた。しかし音のインターバルがあまりにも短い。…4本足？
まさか獣か、と若干ゲンナリした瞬間、その思考を後押しするかのように色々な音が聞こえてきた。荒い息遣いにキュゥーンキュゥーンという寂しそうな鳴き声。狼か犬だ。
なんだよぉ、と安堵の息を漏らして木の影から覗く。ここまで近づいたんだ、せめて正体を拝んでから戻ることにしよう。
そうして覗いた景色は、神秘的とも言えただろう。
木々の間から漏れ出た月の光が、一つの切り株をスポットライトかのように照らしていた。その切り株のそばに座る、白い毛の…おそらく狼。
まさかこんな美しい景色が観れるとは思っていなかった為少々見惚れた。そして犬がソワソワとその場から動き、切り株の上が見えるようになる。
次の瞬間顎が外れたかと思った。切り株の上に血を流した人が倒れてるって、完全に狼くんのお食事シーン見ちゃった感じ？？
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傘木わう(プロフ) - ピースさん» ご協力ありがとうございます、よろしくお願いします！！ (2022年5月8日 19時) (
レス) @page48 id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
ピース - 検索避け!そうでした,ごめんなさい次から気をつけます (2022年5月6日 8時) (レス) id: b650542de4 (このIDを非表示/違反報告)
傘木わう(プロフ) - ピースさん» コメントありがとうございます！沢山の人と絡ませたいあまりにどんどんとキャラを出しています…検索避けにご協力くださると嬉しいです！親しい仲には気を抜いてしまう系男子です、ぜひ！！！ (2022年5月5日 19時) (レス) @page47 id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
ピース - 更新お疲れ様です！エミさんがでてきましたね！初期のような敬語ではなく、崩しているのが完成度高杉くん、、惚れていいですか？ (2022年5月5日 0時) (レス) @page47 id: 3795c39556 (このIDを非表示/違反報告)
傘木わう(プロフ) - 三日月さん» わ、コメントありがとうございます！！皆あまりすぎる褒め言葉いただけて光栄です…！！応援ありがとうございます、頑張ります！！ (2022年4月25日 22時) (レス) id: c70dfcf180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：傘木わう | 作成日時：2022年4月4日 0時
