雄鶏の哮り ページ36
デュースと監督生が談笑する最中、Aはまだ見えぬ位置から近付く騒ぎ声を耳を立てて気にしていた。
____あまり柄の良くなさそうな集団だ。絡まれなければいいが。
デュースたちの方は何やら重いものの持ち方の話に花を咲かせているし、チンピラ(仮)集団もゲラゲラ下品に笑ってあまり周りの確認はしてないだろう。
話に夢中で物理的に激突……後に所謂激突をされても困る。
そう考えたAはまだ話してる最中のデュースに寄り、彼の腕を自分の方に引き寄せることによって、互いの接触を防ごうとした。
しかし____
「っいって!」
どん、と肩と肩がぶつかったのと同時にぐしゃり、と嫌な音が袋の中から聞こえてくる。
どうやら、ぶつかった衝撃でデュースの持っていたたまごパックが丸々全滅してしまったようだ。
何やら面識のある2組であったが、何も知らぬAは完全に蚊帳の外。
「いい加減にしろよな〜!」
「いたっ……!」
チンピラの1人が監督生の肩を強く押す。
監督生は大きくよろけ、尻もちを着きそうになったが間一髪のところでデュースが受け止めた。
グリムがチンピラ集団を鋭く睨み、デュースが買い物袋を地面に置き、さあどちらが文句を言いに行こうか、という場面になったところで。
「おい、おまえらがワザとぶつかってきたの、おれは見てたからな」
いつの間に奴らの目の前に仁王立ちする姿勢をとったのだろうか。
Aがチンピラの襟元をぐいと掴んで、威嚇するように相手の目線を強制的に下げる形をとっていた。
「はん、関係ないおチビちゃんは引っ込んでたらどう……ぎゃっ!!」
「さっさと謝れよ、デュースくんと監督生くんに」
チンピラの言葉を「うるさい」と一蹴し、そいつの襟元を掴んだままチンピラ集団の方へ投げ飛ばした。
そのAの行為が癪に触ったのか、すかさずもう1人のチンピラがAの首元を掴み返し、そのまま顔面目掛けて拳を振る。
「オイ弟子!」「Aさん!?」打撃音が聞こえるのとほぼ同時にグリムと監督生が悲鳴を上げた。
鍛えられていない拳なんてさして痛くない、とAはなんの反応も示さなかった。
しかし、この瞬間で激昂した人物が1人いる。
「ふざけんじゃねェぞ」
ふらり、デュースが前に出た。
________
反復横跳び記録集
イラスト集を公開してしまいました。
583人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜(プロフ) - 与太話さんおかえりない!!更新楽しみに待たさて頂きます (3月24日 1時) (レス) @page40 id: 6b9c28a133 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 何度も繰り返し読み返しては、ゲラゲラ笑わせていただいております!またいつか更新かかるといいなぁ (11月21日 15時) (レス) @page40 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - 殿堂入り?!すげー!!絡ませるの難しいですがチェーニャと絡ませて頂ければ嬉しいです!アッ、イデア氏も… (2022年2月1日 12時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!ふわ〜!!えっ神作過ぎません⁇作者様ホントに人間ですか?えっ文才の神様だったりしません⁇私と比べたら月とスッポンどころか宇宙とそこらへんのゴミですよ、、、天才すぎる、、、更新楽しみにしてます! (2022年1月4日 18時) (レス) @page39 id: c0c52854c4 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - ケイト先輩の夢主?の前では素を出してる感じ好きです!なんか闇ありそうだし続き楽しみ! (2021年12月27日 2時) (レス) id: cff29dd65c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:与太話 x他1人 | 作成日時:2021年10月26日 21時