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栗を拾いに行った監督生御一行を待つ間、二人はだらだらと他愛もない話をしていた。
授業がどうだとか、購買のメニューはあれが美味しいとか、寮長はやっぱり怒らせると怖いとか……男子高校生らしい、そんな会話。
元々Aを気に入っているトレイはともかく、トレイが苦手だと語っていたAも、そんなことを悟らせもしないような笑顔を浮かべていた。
｢おっと、忘れていた＿＿＿＿A、ちょっと来てくれるか？ 渡したい物があるんだ｣
｢渡したい物？｣
｢ああ。タルト台は冷蔵庫に入れて＿＿＿＿そうだ、ありがとう｣
唐突に、トレイはAにそう告げると、共にキッチンを後にした＿＿＿＿
＿＿＿＿場所が変わり、トレイの部屋。
｢なんか落ち着かない……｣
嗅ぎ慣れない男の部屋に連れてこられた影響だろうか。Aはトレイのベッドにちょこんと腰をかけたままそわそわと周りを見回していた。
｢そんなに見られると恥ずかしいんだが。……緊張しなくてもいい、仲のいい友人の部屋にでもいると思っていて欲しいな｣
＿＿＿＿仲のいい友人とか言われてもなぁ。
Aはそんな表情を浮かべた。
Aに背を向けているトレイは、何を探しているのかクローゼットを漁っている。
｢あったあった！｣
｢うおっ、どうしました｣
少し無言の時間があったと思いきや、トレイが珍しく嬉しそうな声を上げた。
すくっとその場から立ち上がり、Aの元へ寄っていく。
＿＿＿＿その手には落ち着いた緑色のセーターが。
｢タルト作りを手伝ってくれたお礼だ。受け取ってくれ｣
｢えっ！ いいんですか｣
｢俺のお下がりだがな。悪い｣
トレイは、申し訳なさそうに眉を下げているが、最近寒くて仕方のなかったAはお下がりだろうとなんだろうと防寒の服を貰えたことにより｢嬉しいです！｣大喜びをしていた。
｢試しに着てみたら？｣という提案に乗り、早速セーターに腕を通した。
｢＿＿＿＿で、でかいっすね｣
｢でも似合うと思うぞ｣
クローバー印のワンポイントが入ったセーターは、トレイの中古品だけあってAにはとてもオーバーサイズであった。
｢すごい暖かいすね！ ありがとうございます、ハーツの副寮長！｣
｢……その呼び方、どうにかならないのか？｣
｢へ？｣
｢ケイトはケイト“くん”なのに｣
｢いや、あ｣
｢俺だけ仲間はずれみたいで、寂しいなあ｣
｢ﾝト゛レ゛イ゛く゛ん゛｣
｢うん、よろしい｣
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茜(プロフ) - 与太話さんおかえりない！！更新楽しみに待たさて頂きます (3月24日 1時) (
レス) @page40 id: 6b9c28a133 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 何度も繰り返し読み返しては、ゲラゲラ笑わせていただいております！またいつか更新かかるといいなぁ (11月21日 15時) (レス) @page40 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - 殿堂入り？！すげー！！絡ませるの難しいですがチェーニャと絡ませて頂ければ嬉しいです！ｱｯ、イデア氏も… (2022年2月1日 12時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！ふわ〜！！えっ神作過ぎません⁇作者様ホントに人間ですか？えっ文才の神様だったりしません⁇私と比べたら月とスッポンどころか宇宙とそこらへんのゴミですよ、、、天才すぎる、、、更新楽しみにしてます！ (2022年1月4日 18時) (レス) @page39 id: c0c52854c4 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - ケイト先輩の夢主?の前では素を出してる感じ好きです！なんか闇ありそうだし続き楽しみ！ (2021年12月27日 2時) (レス) id: cff29dd65c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：与太話 x他1人 | 作成日時：2021年10月26日 21時
