アジームさんちの息子 ページ18
はあ……
思わず、口からため息が漏れる。
最近、学校内で幅を利かせている先輩やカースト上位の先輩、果てには副寮長、寮長格の先輩たちに変な絡まれ方をされることが多くあり、気が滅入っているのだ。
入学して間もないのに、もう何度体育館裏に呼び出され、もう何度人気のないところで壁に追いやられたか分からない。10回くらいから数えることはやめた。
うちの寮長からは何故か睨みを効かせられているし、ハーツにはもう行きたくないし、ディアソの寮長様には握手してもらったし……私の癒しはもう、首領くらいしかいない。私は早く首領に会いたい。早くシフトの日が来て欲しい。首領に会いたくて会いたくて震えている。
「みんながみんなスカラの寮長様みたいだったら世界は平和なんだろうな……」
「お？ 急にどうしたんだ？」
「いや、こっちの話です。……今日はよろしくお願いします！」
「おう！」ニパッと花が咲いたような笑顔を向けてくれるスカラの寮長様が眩しい。
彼は、本日の体力育成でペア同士になったスカラビア寮長のカリムさんだ。まだ出会って数分しか経っていないが、私はもう彼のことを信用しきっている。それはもう我が首領の次くらいに。
野生の感で分かるんだ。彼がいい人ってことは。
＿＿＿＿体力育成の授業で彼とペアになれたことを心の底から感謝する。ありがとう、神よ。
｢お前ら、ペアの相手は見つかったな！
新入生は入学早々といったところだが、今日は早速飛行術の授業を＿＿＿＿｣
｢飛行術から入るのって、珍しいですね｣
先生が説明している最中だが、あまり気にせず隣にいるスカラの寮長様に話しかけた。
＿＿＿＿飛行術なんて、ミドルスクールでも実施するところは少ないのに。いきなりやって他の奴らは大丈夫なのかな。
仲の良い同級生たちのことを心配していると、スカラの寮長様が考え込んでいた私の顔を覗き込んでくる。
｢不安か？ 1年生にとっては難しいかもだが、すぐ慣れる。大丈夫だ！｣
｢オレもついてるし｣と胸の辺りを叩きながら、頼もしく言ってのけるスカラの寮長様。
確信した。全世界の人間がスカラの寮長になったらとりあえず戦争はなくなるだろう。
｢＿＿＿＿いや、不安ではないです！ おれ反復横跳び得意なんでッ！ もしよかったら見ます？｣
｢?? おう、そうか！ 今日やるのは飛行術だからな。また今度見せてくれ｣
｢はい！｣
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茜(プロフ) - 与太話さんおかえりない！！更新楽しみに待たさて頂きます (3月24日 1時) (
レス) @page40 id: 6b9c28a133 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 何度も繰り返し読み返しては、ゲラゲラ笑わせていただいております！またいつか更新かかるといいなぁ (11月21日 15時) (レス) @page40 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - 殿堂入り？！すげー！！絡ませるの難しいですがチェーニャと絡ませて頂ければ嬉しいです！ｱｯ、イデア氏も… (2022年2月1日 12時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！ふわ〜！！えっ神作過ぎません⁇作者様ホントに人間ですか？えっ文才の神様だったりしません⁇私と比べたら月とスッポンどころか宇宙とそこらへんのゴミですよ、、、天才すぎる、、、更新楽しみにしてます！ (2022年1月4日 18時) (レス) @page39 id: c0c52854c4 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - ケイト先輩の夢主?の前では素を出してる感じ好きです！なんか闇ありそうだし続き楽しみ！ (2021年12月27日 2時) (レス) id: cff29dd65c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：与太話 x他1人 | 作成日時：2021年10月26日 21時
