束縛魔～Takeru.S～2 (ページ15)

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私たちはスタジオを出ると、駅へ向かった。

どこに行くのか。隆之介の後を着いていく。

「そういえばA、そんなピン持ってたっけ？新しく買ったの？」

私の耳上あたりを指さして、隆之介が言った。

そういえばさっき、倫也さんが直してくれたんだっけ。

『ああ、これは…って、私もピンなんか付けてたっけ？』

慌ててピンを手に取ってみる。

それは初めて見るもので、自分が持っていたものではなかった。

『もしかして、これ…？』

よく考えると、これは今日の撮影中に使ったものだ。

もしかしてそのまま付けてきちゃったのかな？
でも撮影終わった時に外したよね？

不思議に思った私は、倫也さんにLINEをした。

【お疲れ様です。私が撮影中に使ってたヘアピンの話なんですけど…。】

その一文を送りながらそのあとの文章を考えていると、すぐに返信が来た。

【ああ、あれね！あのピンすごく似合ってたから、スタイリストさんに頼んで買い取ったの。どう、俺の渡し方スムーズだった？(笑)】

やっぱり、ピン曲がってるよって、あの時に倫也さんがつけてくれたんだ。