Last Game (ページ3)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:68,478 hit

LG3 ページ3

潤くんが出してくれた紅茶も飲み終わった所で帰ろうと立ったその時

隣に座っていたまーくんが二宮先輩に耳打ちする。

「あの！長居しちゃってすみません！私そろそろ帰りますね？」

「また来てね～」
翔くんとまーくんが笑顔で手を振ってくれた。
飲み終わったカップを片付けながら潤くんは「気をつけて帰れよ」って言ってくれた。

「俺送ってくわ」
そう二宮先輩がイスにかかっていたパーカーを羽織る。

「暗いし車で行こっか」

そう言って車のキーを取り出す。

後ろの座席に座ると

「こっちでしょ？」

そう言って助手席をぽんぽんと叩く。

「え、座ってもいいんですか？」

「だから何でダメなのよ(笑)」

車を運転する二宮先輩を横目で眺めながら少しお喋りをして家までの道を教えた。

「ん、着いたよ」

住んでるマンションの前で車を止めてくれた。

「本当に近かったですね(笑)」

「んね、歩いてこれる距離だ」

「今日はありがとうございました」

お礼を言ってお辞儀をすると

「今日楽しかった？」

「あ、はい！！お料理も美味しくて…

「そっちじゃなくてさ」

「え？」

「家…楽しかった？」

「あ！もちろんです！すごく楽しかったです！」

「じゃあさ…住まない？」

「え…？」

「お前また来るとか言って来なそうだし…」

「だからって住むなんて…

「いや？」

少し上目遣いで聞いてくる…あざとい…。
答えに戸惑っていると二宮先輩は笑いながら

「そんなに悩まないでよ(笑)」

そう言いながら頭を軽く撫でてくれた。

「じゃ、おやすみね？」

ここで断ったら…あの４年間が蘇る…でも恋愛は怖い…。

言葉よりも手が動いていた。
私は思わず二宮先輩の腕を掴んで引き止めていた。

「ん？どした？」

「あの…やっぱり住みたい…です」

最大限に勇気を振り絞って出た言葉。

「そ？じゃあ決定な(笑)」

「はい…」

「とりあえず今日は遅いから明日また迎えに来るね」

そう言って車に乗った二宮先輩。

あれ…？気のせい…？

今二宮先輩の口角が右に少し上がったような…。

私はまだこの同居が裏で繰り広げられているゲームだったなんて知らなかった…。

あの５人兄弟によって…。

「あ、忘れもん」

「え？何か忘れましたか？」

「Aちょっと来て」

車に走り寄ると落とされた触れるか触れないかのキス。

「おやすみ、A」

そう言って車を走らせた二宮先輩。