67.塩味 ページ27
ドラケンは冗談めかして言ったが、すぐに真剣な顔になった。
「だけどAは、その
項垂れていたが、武道はハッとした顔になった。
確かにそうだ。
Aはマイキーに心酔しているし、この特攻服も“垂涎モノの一品”と評していた。にも関わらず、武道に渡したのだ。
Aは武道を、この特攻服を渡すに足る男だと判断したのではないか。だとすれば、そう落胆することは無いのかもしれない。
バッ、と勢いよく武道は顔を上げた。
「
「……マイキー君の……オレには……重いなぁ」
武道は、日が差す窓へと特攻服を掲げた。
「いつかコレが似合う男になりますかね？」
苦笑いしながら、武道はドラケンに訊いた。
ドラケンは笑って、はいともいいえとも言えない答えを返した。
「会ってけよ」
「え？」
「多分屋上で昼寝でもしてっから」
ドラケンは窓の外を見た。
屋上で昼寝をしてるのは、武道の今持っている特攻服の、元の持ち主だ。
＊＊＊
Aは扉の近くで、窓の外の景色を眺めながら立って待っていた。
しばらくすると、ガラガラと扉が開いた。出てきたのは武道だった。
「あっ……えと、もう入っていいと思います」
「そっか。……どこ行くの？」
「えっ」
武道は少し迷ったが、屋上に行くと告げた。
「ふーん……そう」
興味なさげ、というわけではなさそうだったが、Aはそう言うとすぐに病室へ入っていった。
やっぱり好かれてないのかな、と武道はなんとなく不安になるが、彼女のあの態度はマイキー以外には同じだったことを思い出し、まぁいいかと思った。
＊＊＊
「そろそろ帰れば？」
「……エマに誤解されたら困るから、かな」
「うっせ」
ドラケンは否定しなかった。
ピクリとも笑わずに冗談めいたことを言うAにはもう慣れたが、相変わらず不気味な気がする。
Aはもう一つの林檎の皮を剥き始めていた。
「……Aはさ、あのマイキーの
Aは手を止めた。
ドラケンは少し後悔した。話題が無いとはいえ、余計なことを口走ったように思えた。
「貰わない」
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わがはい(プロフ) - りなさん» そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます。励みになります！ ご指摘ありがとうございます。名前の変換修正いたしました。 (2022年4月20日 15時) (
レス) id: fe7c1fcf9f (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白いです✨更新これからも楽しみにしてます💕あと名前の変換ができてないです…😢 (2022年4月20日 9時) (レス) @page2 id: 047ec70aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わがはい | 作成日時：2022年4月19日 19時
