66.ｽﾝｯ ページ26
「あとエマも例外だな」
「エマは君の
「あ゛？」
「何」
段々と二人の雲行きが怪しくなってきたので、武道は慌てて会話に割り込んだ。
「な、なんかスミマセン！！
えっとその、オレごときが知っちゃって……」
「……まぁ成り行きだったし、別に」
特段関心もないのか、Aは武道と目も合わせず言う。
ふと、ドラケンがAの足元を見た。
「あっそうだ、コレ」
「ん？」
「マイキーから。オマエに渡せってさ」
ドラケンの視線の先にあるのは、紙袋だった。
Aは足元にあった紙袋を武道に手渡す。
武道は紙袋を受け取り、中身を取り出して広げた。入っていたのは、東卍の特攻服だった。
「“東卍”立ち上げの時、マイキーが着てた
「そう。“東卍”の起源であり命、垂涎モノの一品」
Aは、ようやくしっかりと武道の目を見据えた。
ドラケンとAの真剣な表情を見て、武道はゴクリと唾を飲み込んだ。
「そんな物をなんでオレに？」
「“着るか着ねぇかはオマエ次第。でもオマエに持っていて欲しい”ってよ。
あとは……そうだな、A少し席外してくれるか」
「？ ……いいけど……」
Aは林檎を皿の上に置くと、タケミチの横を通って病室の外へ出ていった。何度か名残惜しそうにドラケンを見たが、理由は聞かなかった。
パタン、と扉が閉まったのを確認して、ドラケンは武道に向き直った。
「オマエは“東卍”の恩人だ。オレ含め、みんなが認めてる。
ただ、大多数はほぼAのおかげだと思ってる」
「いや、まぁ……そりゃそうですよね」
「あぁ。……だけどな、マイキーは……」
ドラケンはニヤリと口角を上げた。
武道は小首をかしげる。
「Aが好きだからよ、ソレ渡して断られたら嫌だからって」
「えぇ！？」
「バカ、っるせぇよ」
「す、スイマセン」
ドラケンは武道を睨む。
マイキーがAを好き……そしてこの特攻服が渡されたのはそこまで真っ当な理由ではない……武道は二つの出来事に大きなショックを受けた。
明らかに落胆する武道に、ドラケンはため息をついた。
「当然、Aはそれを知らねぇ。
本当なら喉から手が出るほど欲しいだろうけどな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わがはい(プロフ) - りなさん» そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます。励みになります！ ご指摘ありがとうございます。名前の変換修正いたしました。 (2022年4月20日 15時) (
レス) id: fe7c1fcf9f (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白いです✨更新これからも楽しみにしてます💕あと名前の変換ができてないです…😢 (2022年4月20日 9時) (レス) @page2 id: 047ec70aff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わがはい | 作成日時：2022年4月19日 19時
