62.軽率にJC ページ22
＊＊＊
武道は、Aからの返事が来ると飛び上がった。
一日中家にいるのは出来ないが、しつこいので着いてくるのは許可する、とのこと。待ち合わせ場所も指定されている。
二駅先の駅で降りればすぐの花屋だ。一度行ったことがあるので、迷わず行ける。
武道が“一日中家にいろ”なんて内容のメールを送ったのは、当然、今日Aが死ぬかもしれないからだ。
だからこそ、同行を承諾されたからには、全力でAを救わねばならない。
決意を固め、武道は電車に乗り込んだ。
＊＊＊
電車を降りて、駅からは速歩きで花屋へ向かう。
道中、下校する女子中学生をときどき追い抜いた。確か、近くに有名な進学校があった気がする。
「タケミっち」
「！」
聞き覚えのある声がして、武道は振り向く。
「へ」
「思ったより早いね、このまま花屋一緒に行こう」
「……！？」
そこにいたのは、さっきの進学校の制服を着た、ポニーテールの美少女だった。
武道は、声と顔から、彼女は(名字) Aだととうにわかっていた。
夏祭りでたまたま会って、Aの性別を知ったが、まさか有名な女子中の生徒だとは思わなかった。
制服で来るのは予想外だったが、はっと武道は我に返り、スタスタと前を歩くAを小走りで追いかけた。
「A……さん、どうして花屋に？」
「……それより、君の方が先に理由を話すべきじゃないのかな」
「うっ……」
正論を言われ、武道はぐうの音も出なかった。
Aはそんな武道を見るとため息をついた。聞いても無駄だと思われたらしい。
「今回は……まぁいーよ。それと、花を買う理由はすぐにわかる」
「え？」
「母さんに買っていくの」
Aはぴたりと足を止めた。
気がつけば、目的地の花屋の前だった。するり、とAは入店する。
「いらっしゃいませ……あら、Aちゃん」
「こんにちは」
「こんにちは〜。今年も買いに来てくれたのね」
「はい。……いつもの、貰えますか」
「えぇ、ちゃんと用意してあるわよ」
武道を差し置き、Aは花屋の店主と思しき中年女性と談笑する。
どうやら、顔を覚えてもらえるほど行きつけらしい。いや、“今年も”と言っていたことから、年に一度のペースだろうか……。
女性は慌ただしく店の奥へと入っていった。
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わがはい(プロフ) - りなさん» そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます。励みになります！ ご指摘ありがとうございます。名前の変換修正いたしました。 (2022年4月20日 15時) (
レス) id: fe7c1fcf9f (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白いです✨更新これからも楽しみにしてます💕あと名前の変換ができてないです…😢 (2022年4月20日 9時) (レス) @page2 id: 047ec70aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わがはい | 作成日時：2022年4月19日 19時
