53.Can he revenge? ページ12
武道がふと顔をあげると、遠くの方で複数の人影が見えた。段々と近づいてくる。
一定の距離になったところで、武道はそれが誰達なのかわかった。そして、絶望した。
「あれあれぇ！？
死んでねーじゃん！！ ドラケンちゃん！！」
「おぇ――い！！ なんでザコミチいんのぉ！？」
「カスが何余計なことしてくれちゃってんだ？」
キヨマサと、その取り巻き達だった。
武道は恐怖心から後ずさりした。
「タケミっち」
ドラケンはか細い声で言った。
いつの間にか気がついていたらしい。
「ありがとな、タケミっち。Aも、止血」
ドラケンは、腹部をさすりながら起き上がった。
「ドラケン！？ 動いちゃダメ！」
「ヒナちゃんとエマ連れて逃げろ。オレは大丈夫だ」
“逃げろ”と言われ、武道はほうけた。
自分でも気が付かないうちに、逃げようとしていたのだ。ドラケンは、武道自身より先にそれに気が付き、今逃げるように武道に言っているのだ。
「早くしろタケミっち。
勿論Aもだ。オマエは接近戦苦手だろ」
「ッ」
ドラケンは見るからにボロボロだ。
それなのに、武道達を逃がそうとしてくれた。
知らず知らずのうちに、武道の目から涙が溢れた。
「あ゛あ゛あ゛あああ」
「？」
「タケミチ君……？」
武道は雄叫びを上げた。
自分が
敦と、
ドラケンと、
Aと、
ヒナの人生を、
救うためだ。
ふー、と深く息を吸い、気合いを入れ直した。
そんな武道に触発されたのか、Aもキヨマサ達に向き合った。
「ヒナ、下がってて」
「え？」
「エマ……ヘアピン有ったら貸して」
「へ……あ、あった……ハイ」
武道は心の中で、勇気をくれたドラケンに感謝していた。ヘアピンで前髪を上げるAと共に、キヨマサの前へ進み出た。
「なんだ？
テメェら……。死にてぇのかコノヤロウ」
武道は息を吐いた。
Aはキヨマサを睨みつけた。
今回のキヨマサとの喧嘩は、武道にとってはただの喧嘩ではない。
この喧嘩は、彼の人生における――……
「リベンジだ」
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わがはい(プロフ) - りなさん» そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます。励みになります！ ご指摘ありがとうございます。名前の変換修正いたしました。 (2022年4月20日 15時) (
レス) id: fe7c1fcf9f (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すごく面白いです✨更新これからも楽しみにしてます💕あと名前の変換ができてないです…😢 (2022年4月20日 9時) (レス) @page2 id: 047ec70aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わがはい | 作成日時：2022年4月19日 19時
