君と僕の関係 (ページ17)

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急に2人になり、変な空気になる。

「あっ。今日の公演よかったよ。
その…衣装もめっちゃ似合ってる」
と彼が先に話し出してくれた

「ありがとう。
アイドルじゃなかったら、こんな可愛い服着れなかったよ。」
と笑って言う

彼
「…もう、卒業したんだよな？」

「うん。さっき公演終わっちゃったからね。
長かった恋愛禁止のアイドル人生も、もうおしまいだよ。
だからね…」
と彼に想いを伝えようとしたら

「俺、Aのこと好き。
アイドルを卒業したら言おうとずっと思ってた。
俺と付き合ってください。」
と彼は手を差し出してきた

「ありがとう。
こちらこそ、よろしくお願いします。」
そう言い、彼の手を取り

「私も、伝えようと思ってたの。
この思い出が沢山ある劇場で。
今までの曖昧な関係を終わらせようと思って。
…あなたが、マサイのことが好きです。
ずっと、待っててくれてありがとう。
支えてくれてありがとう。
これからは、彼女として、よろしくお願いします。」
そう言うと、握っていた手を引かれ、そのまま彼の腕の中へ

身長差が結構あるおかげで、目の前には彼の胸が。

彼
「すげぇ待った。
恋愛禁止なのに、いつのまにか、人気アイドルになっていろいろやってて…
ダメかと思った。」

「恋愛禁止だから、恋人作らないって言ったじゃん。
SNSの言葉は、8割がマサイにって言ったのに。」
と抱きしめられたまま笑って言うと

「それでも不安になんだよ。
芸能人と一般人だぞ⁉」
と彼

「ねぇ、お願いがあるの。」
と少し顔を上げ、言うと

「何？」と彼

「カメラ持って来てるでしょ？
アイドル最後の写真を、撮ってほしいの。」
そう言うと

「あるけど…俺でいいの？」
と彼

「うん！
きっと、どんなカメラマンよりも、綺麗に撮れると思うから」
そう言って笑って彼から離れ、ステージへ。

「そんなこと言われたら…やるか。」
と彼は言ってカメラを構えた

実はカメラを構える真剣な姿が好き。
言わないけどね。

大好きなあなたに、最後をお願いしたい。
本当はずっと思ってた。

ステージから、誰もいない劇場を見るのはきっとこれが最後。
今日が終わったら、もうここに来ることもないと思うと寂しくて…
今までの思い出が蘇ってきて、知らないうちに涙がこぼれた。
1度流れた涙は止まることを知らず、次から次へと流れてくる。

写真を撮ってもらっていることも忘れ、涙を流していると、彼は何も言わず抱きしめてくれた。