57 元気になあれ ページ10
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『アキ君、コンビニ寄っていい？』
「ああ」
『デンジ君に何か買って帰ってあげようと思ってさ、
旅行延期になって絶対しょげてるもん』
刺客に向けての準備がひと段落し、やっと家に帰ってくる事が出来た
誰かがテレビを見ているのだろうか、音が聞こえる
『(また、デンノコの話題だ)』
部屋を覗くとうつ伏せになりテレビを見つめるぼーっとデンジ君がいた
するとポンっと肩に手が置かれ、反射的に振り返るとアキ君が同じように部屋を覗き込んでいた
1人暗い部屋でテレビを茫然と見つめている様子があまりにも可哀想で中に入ってデンジ君の横へ行く
「なんでマキマさんと旅行行けねえんだ……」
見兼ねたアキ君がデンジ君の背中の上に腰掛けた
居た堪れない気持ちになって私はデンジ君の頭を撫でた
「…俺はイスじゃねえぞ」
「一生殺し屋に命狙われるわけじゃねえ
今回来るのを全員捌けば相手も様子見してくる
そうすれば旅行に行ける
マキマさんは旅行を中止とは言ってない 延期なんだ」
するとデンジ君は表情がさっきより活力を含んだ
「な〜んだじゃあ簡単じゃねえか
全員ぶっ殺しゃあ 江の島行けるっつー事か！」
少し違うような、違わないような気もするけど
ちょっとでも元気になってくれたならそれでいい
『ちょっと元気になったデンジ君、プリン食べるかい？』
「…食う」
「帰りにわざわざAが買ってきてくれたんだぞ」
「Aちゃん…マジで好き」
『うん私も好きだよ』
「は！？」
意外とアキ君はこういうのに引っかかりやすかったりする
好きとか、カッコいいとか1番とか
そんな言葉にすぐ反応して、自分に向けられたものじゃなかったらいつも大人しいけどもっと大人しくなっちゃって
そういうところが、ギャップっていうか、何ていうか、可愛い
『2番目にね？』
「ちぇーっ、1番はやっぱり早パイかあ」
『…うん、アキ君が1番好き』
ほら、
すぐ顔真っ赤にして恥ずかしがる
『…照れてるの？』
「うるせえ、」
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ゆい - とても素敵です。作者様のペースで良いので、更新待ってます。続きが気になるお話です。 (2022年10月25日 17時) (
レス) @page38 id: 8baac9b7d1 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - どタイプすぎるお話しです！ (2022年8月7日 22時) (レス) @page40 id: fe9aceab05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - とっても良い作品を見ることが出来ました！ (2022年7月24日 6時) (レス) id: d27a1ec747 (このIDを非表示/違反報告)
あい - もうこれでお話は終わりですか？ (2022年7月24日 6時) (レス) @page40 id: d27a1ec747 (このIDを非表示/違反報告)
ナル(プロフ) - cieloさん» ありがとうございます！アキくんカッコ良すぎますよね…！ これからも幸せを届けられるように頑張ります☺ (2021年10月10日 22時) (レス) id: 4b52a48e38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナル | 作成日時：2021年3月12日 19時
