82 みんな一緒 ページ35
.
「明日から2日くらいAと北海道に帰る
メシは作っておくからチンして食えよ」
家族の墓参りに地元に戻る事になった
毎年Aも連れて一緒に行っているが、今年からは訳が違う
デンジとパワーが増えた
きっと行きたいと駄々をこねるに違いない
「え〜北海道！？ズリぃ！俺も行きてえ」
「ワシも行きてえ！」
「墓参り行くだけだぞ」
『途中で駄々駄々こねても簡単に帰ってこれないよ？』
「旅行中止になったしどっか行きて〜んだよ
パワ子ちゃんも落ち着いてきたし」
「ワシおちついてきた」
すると俺より背の低いAは俺を見上げてどうするのかと聞いてきた
「…Aは？」
『私は行けるならみんなで行きたい、かな』
その顔が、やけに優しくて
とても柔らかく笑うからその意見を尊重するほかなかった
まあ、実を言えばAに聞かれなくとも2人を連れて行くつもりではあった
何かあっても困るし、なるべく一緒にいた方がいいと思っていた
「家を空けてる間ニャーコはどうすんだ？」
『連れて行くのは…キツいか、誰かに預けようか？』
満場一致で岸辺隊長だった
この預けた事をきっかけに隊長が猫好きになるなんて誰も思いもしなかった
『はいお弁当 好きなの食べていいよ〜』
「わあ……」
「全部ワシのじゃ！！」
「１つは俺んだよ！もう１つはAちゃんの！」
『別に食べてもいいけど…』
「ダメだ、ちゃんと食え」
『…パパ』
「ぱっ、パパじゃねえ！」
「アキパパ〜！ブハハッ！」
「やめろ！」
『パワーちゃんちょっとこっち向いて』
そう声をかけてもパワーは弁当に必死で聞く耳も持たない
窓側に座っていたAは、俺の前を通り抜け
手に何かを持ったままパワーの前に行き
目線の高さまでしゃがんだ
そしてパワーの長い前髪に手を触れると、横に流してピンで留めた
『可愛い、似合ってる』
また、優しく笑う
2人に出会うまでのAとは違う
2人に出会ってから、本当によく笑うようになった
しかも幸せそうにだ
周りと壁を作って、冷たい、笑わない、
人見知りで、特異課で話せるのは俺とマキマさんぐらい
そんな色んな事を言われていたAが、
2人に出会って変わった
人間味を感じられるようになった
一生側で守りたくなるような笑顔
それは自然と自分の頬も綻ばせた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 831人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい - とても素敵です。作者様のペースで良いので、更新待ってます。続きが気になるお話です。 (2022年10月25日 17時) (
レス) @page38 id: 8baac9b7d1 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - どタイプすぎるお話しです！ (2022年8月7日 22時) (レス) @page40 id: fe9aceab05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - とっても良い作品を見ることが出来ました！ (2022年7月24日 6時) (レス) id: d27a1ec747 (このIDを非表示/違反報告)
あい - もうこれでお話は終わりですか？ (2022年7月24日 6時) (レス) @page40 id: d27a1ec747 (このIDを非表示/違反報告)
ナル(プロフ) - cieloさん» ありがとうございます！アキくんカッコ良すぎますよね…！ これからも幸せを届けられるように頑張ります☺ (2021年10月10日 22時) (レス) id: 4b52a48e38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナル | 作成日時：2021年3月12日 19時
